低価格なデジタル一眼レフが勢揃いし、初めての一眼レフがデジタルという人も多くいるはず。そういう人はまず最初にお買い得な「レンズセット」を買ってるだろう。レンズセットのレンズは低価格で軽量だが、せっかくの一眼レフなのにズーム倍率はあまり高くないと不満かもしれない。でもレンズを自由に換えられるのが一眼レフの良さ。今回はレンズの話をしよう。
一眼レフはレンズを自由に交換できる。ただし換えられるのは、自分のカメラに合ったレンズだけ。カメラ本体とレンズとを接続する部分の規格(マウントという)は各社独自のものなので、「EOS Kiss Digital」にはキヤノンのEFマウントの、「D50」にはニコンのFマウントのレンズしか付けられない。ソニーの「α100」にはソニーもしくは以前コニカミノルタから出ていたαマウントの、ペンタックスにはKマウントのレンズだ。これらはフィルムを使った一眼レフ時代と同じマウントを使っているので、昔のレンズを装着することもできる(ただし、デジタルのことを考えてない旧いレンズだと画質がいまひとつだったりマニュアルフォーカスだったりするかもしれない)。
オリンパスのEシリーズと2006年秋に登場する松下電器産業の一眼レフはどちらも「フォーサーズマウント」というデジタル専用のレンズ規格を用いており、互いのレンズが利用可能だ。
そのほかにレンズ専業メーカーがいくつかある。代表的なブランドはシグマ、タムロンなど。これらのメーカーは各社のマウントに合わせたレンズを出している上にメーカー純正レンズに比べて低価格で、時には純正レンズにはないラインアップが用意されているのでありがたい。
レンズを物色するときは、カメラメーカーのみならず、レンズメーカーのサイトもチェックしてどんなレンズがあるのか探してみよう。
レンズをチェックするときはスペックの基本的な見方を覚えたい。
一番大事なのは「焦点距離」。これは画角を表すモノで、数字が小さい方が広角、大きい方が望遠だ。「18〜70ミリ」と書いてあれば17ミリから70ミリまでの4倍弱のズームレンズだということ。
でもこの焦点距離は「レンズ自体のスペック」で、実際にどのくらいの範囲が撮れるかは撮像素子のサイズで変わってくる。計算するとややこしいことになるんだけれども、ややこしいとみんなが困るので、業界的には「35ミリフィルム換算」を併記することにしている。これはコンパクトデジカメでも同じだ。
だから35ミリフィルム換算(つまり銀塩フィルムカメラでこのスペックレンズを使った場合はどのくらいになるか)で考えると分かりやすい。ニコンのDシリーズは撮像素子サイズがAPS-Cサイズなので焦点距離が約1.5倍にになり、18〜70ミリは27〜105ミリ相当になる。フォーサーズは約2倍換算なので36〜140ミリ相当とちょっと望遠気味になるという具合だ。
2番目はレンズの明るさ(開放絞り値)。レンズが明るいとその分シャッタースピードを上げられるし、背景のボケもコントロールしやすいが、レンズが高価で重くなる。数字が小さい方が明るくて優秀だと思って構わない。ズームレンズの場合「F3.5〜5.6」と書いてある。広角端と望遠端で明るさが変わるからだ。広角端の方が明るい。
ズーミングしても開放絞り値が変わらないものもある。そういうレンズは高価だ。レンズが明るくてズーミングしても変わらないレンズは値段も高い。
例えばシグマでは「18〜50ミリ」のレンズを2本出している。1本は「18〜50ミリF2.8」。レンズが全域でF2.8と明るいが、重量は445で希望小売価格は7万円。もう1本は「18〜50ミリF3.5〜5.6」。ちょっと暗いが250グラムとコンパクトで軽量で価格は2万円。これだけの価格差があるのだ。
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