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手ブレ補正対応のお買い得デジ一眼――ペンタックス「K100D」レビュー(4/5 ページ)

» 2006年07月21日 15時22分 公開
[永山昌克,ITmedia]

味わい深い610万画素CCD

 撮像素子には有効610万画素のCCDを採用する。2003年に発売した同社初のデジタル一眼レフ機「*ist D」と同じもので、その後のDS/DL/DS2/DL2でも使い続けてきたCCDだ。

 アッという間に進化する今のデジカメ市場で、3年近く前の製品と同じCCDというのは、実際の画質はともかく、ユーザーへのアピールという点では弱い。ペンタックスは1000万画素クラスのデジタル一眼レフ機の開発表明もしているが、どうしてK100Dは従来通りのCCDなのか。そのへんの理由は、先日のインタビュー記事の通りだ。

 K100Dが狙うのは、プロや写真愛好家ではなく、写真を楽しみたい一般ユーザーである。仮に1000万画素CCDを採用し、製品の価格を高くするよりも、使い慣れた610万画素CCDを使ったほうがトータルとしてコストダウンにつながり、低価格でバランスの取れた製品になる。CCDは同じでも、ソフトのチューニングなどで、全体的な画質はレベルアップしている――。開発担当者はそう語った。

 勝手な解釈をすれば、より高画素を求める人は今後予定している中級者以上向けの製品に期待してくれ、ということかもしれない。個人的には、K100Dの610万画素に不満はない。これで十分、狙い通りの絵を得られる。といっても、さらなる高画素化は不要と言うつもりはない。画像をトリミングをしたり、補正をしたり、A3サイズに印刷したりもするので、そんな時にはより高画素のカメラを使いたいし、もっともっと高画素の画像も見てみたいと思っている。

 ただK100Dについては、ユーザーターゲットが明確であり、トータルバランスのいいカメラに仕上がっている。やみくもにハイスペックを追求せず、使いやすさ、求めやすさに力点を置いた製品が登場してきたのは、いよいよデジタル一眼レフ機が成熟してきたからだ。

 約3年前の「*ist D」は当時20万円近くもしたが、このK100Dなら7万円程度の出費でペンタックスユーザーになれる。今後予定の高画素モデルの価格がいくらになるか知らないが、K100Dより高いのは確実だ。今お買い得なK100Dを選んで、この夏の撮影を満喫するか、せっせとお小遣いを貯めて、まだ見ぬ高画素モデルに備えるか。悩んでいるヒマはない。

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