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川崎が熱い! ハイレベルな闘いが続出の「ROBO-ONE J-class」ROBO-ONE J-class 第7回大会(3/3 ページ)

» 2006年08月08日 13時26分 公開
[こばやしゆたか,ITmedia]
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ivre(ゆ)vs グレートマジンガアJr(光子力研九所)

 準々決勝第4試合。ivreは、両手にスチール製の物差しを取り付けたロボットだ。この物差がしなりながら相手に襲いかかる。バネのきいた強烈な攻撃になるのだ。また、捨て身技として、物差しを相手の足の下に滑り込ませてひっくり返すという技ももっている。また、このロボットは足が速い。走れるロボットの中でも、おそらくもっとも足が速い。

 対するグレートマジンガアJrはおなじみマスタースレーブのロボットだ。今年も順調に勝ち上がって来た。

 まず、ivreが俊足を生かしていきなり間合いをつめ、背中から浴びせたおそうとする。不発に終わったが、スピードで観客を沸かせた。

 このあとはお互いに捨て身技の応酬だ。大きなロボットがばたんばたんと倒れるので、音もすごい。そして、1分30秒、ivreが捨て身に入ろうと身体をのばしかけたところに逆にグレートマジンガアJrの捨て身技が決まる。ついにダウンを奪った。

 1分55秒、iverのスチール物差し攻撃が炸裂する。グレートマジンガアJrをリング下に転げ落とす。これでダウン数は1-1。そして2分30秒、ivreが大きなパンチを繰り出そうとしたところに、グレートマジンガアJrのカウンターが決まった。結局このダウンが決勝点となり、2-1でグレートマジンガアJrの勝利となった。

photo 2-1でグレートマジンガアJrの勝利

キングカイザー・Jr vs RB1

 準決勝第1試合。RB1は、あの貞子である。あのときは色物ロボットかと思ったのだが、それは浅はかな印象だった。初出場ながらベスト4に食い込んで来たのである。

 立ち上がり、RB1が前転をしながら間合いをつめる。おそらくそのままキックにいきたかったのだろうがそれは不発。その後は、お互いに相手を警戒して、なかなか間合いをつめない。RB1も、低い重心とリーチの長いパンチを持ったロボットなのだ。

 しかし、42秒、RB1が近づこうと歩き出した瞬間をキングカイザー・Jrのパンチがねらった。動いている瞬間のパンチは効く。RB1ダウン。1分20秒、RB1は再び前転で間合いをつめ、そのままキングカイザー・Jrの足を刈りダウンを奪う。

 1分40秒、RB1がパンチを繰り出すが相手にかわされ、身体がちょっと浮いた。これを見逃すキングカイザー・Jrではない。見事にパンチを決めてダウンを奪う。結局2-1でキングカイザー・Jrが勝利。

ありまろ6 vs グレートマジンガアJr

 準決勝第2試合は、3分を終わったところで双方ダウンが1-1。2分間のサドンデス方式の延長戦に入った。

photo

 延長開始7秒、相手の背後に回り込んだグレートマジンガアJrがそのままダイビングパンチ。ダウンを奪って決勝進出を決めた。ありまろ6の操縦者がいつものお嬢さんだったら、展開は違っていたかもしれないといっても、きっとお母さんは怒らないでくれるだろう。

キングカイザー・Jr vs グレートマジンガアJr

 決勝はwith Family対決となった。

 積極的に動くグレートマジンガアJrに対し、じっくり受けて立つキングカイザー・Jrという構図の勝負だ。普通のパンチでは倒せないとみたか、グレートマジンガアJrは積極的に捨て身技のダイビングパンチをしかける。しかし、キングカイザー・Jrはその動きを読んでいるようで、よけてしまう。またリーチのあるパンチをジャブ的にしかけることで、グレートマジンガアJrを射程距離内にいれさせない。グレートマジンガアJrはだんだんおいつめられ、無理な攻撃が増えてくる。捨て身技をしかけるというのはマシンにもダメージは加わる。攻撃とは関係ない転倒も起きるようになる。

 2分30秒、お互い同時にダイビング攻撃を炸裂させる。ビデオをコマ送りで見ると、グレートマジンガアJrのほうが一瞬早いのだけど、うけたキングカイザー・Jrが相手を押し返してダウンを奪う。これが決勝点になった。残り時間グレートマジンガアJrは捨て身攻撃を次々しかけるが、射程距離内に入っていない。キングカイザー・Jrは余裕を持ってよけ、そのまま試合終了。

 キングカイザー・Jrの試合運びの上手さが目立った決勝戦だったのだけど、それを操縦すたマルファミリー弟は史上最年少の優勝パイロットとなったのだ。マルファミリーは前々回3位、前回2位とひとつずつ階段を上がって来たが、ついに1位になった。

photo

 今回は見ていて面白い試合がとにかく多かった。「走る」というのはこれだけの意味があるのだ。また、決勝トーナメントに自律型ロボットが3つも進んだというのもすばらしい(実は優勝したキングカイザー・Jrも自動攻撃をするシステムを搭載していたのだ。ただし試合では使っていなかったようだ)。

 また、初出場でベスト4に入ったRB1の原田家もえらい。わたしなんか「J-classがこんなにハイレベルになったら新規参入しにくくなるじゃないか」なんて悪口を言いたくなるのだけど、それが甘い考えであることをわからせてくれた。

 さて、ROBO-ONE本大会の第10回大会は、9月16、17日に山形県長井市置賜地域地場産業振興センターで開催される。こちらはさらにハイレベルな戦いになることを期待している。

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