ダビング機能は、RDR-VH95/85からほとんど変更されていない。デジタル放送を含め、高速ダビング「入り」の状態でMPEG-2録画した番組をDVDへ高速ダビングできるほか、任意の録画モードへ再エンコードしながらダビングすることも可能。もちろんデジタル放送をストリーム録画(DRモード)した番組も、SDクオリティの任意の録画モードへエンコードしながらダビングを行える。
特徴的なのは“ダビングの予約実行”機能だろう。RDR-VH95/85から継承されもので、設定した内容のダビングを開始時間を指定して実行させることができる。この場合に限り、ファイナライズまで一気に実行可能だ。録画予約のない深夜の時間帯にダビングを実行させ、朝にはひょいとダビングの完了したDVDメディアを持ち出す、といった使い方もできる。同機の場合、高速ダビングであっても予約録画とは並行動作できないため、それをカバーする機能ともいえるが、デジタル放送対応レコーダーでは再エンコード(ダウンコンバート)ダビングの比率がおのずと増えるはずなので、かなり便利に使える機能だ。
まとめの前にDVDメディアへのダビング速度や品質に触れておくと、ベースモデルになったと思われるRDR-VH85とほぼ同じ傾向を示したため今回は省略させていただいた。ダビング対応メディアにDVD-R DLが追加されているものの、メディアへの書き込み品質やカタログ上のダビングスペックなどを見る限り、搭載ドライブも変わっていないようだ。DVDメディアへの書き込み品質に関しては非常に優秀である。
本製品は、極めてシンプルなデジタル対応HDD+DVDレコーダーに、チューナーレスのシンプルなVHSデッキをインテグレートしたという印象だ。決して機能を欲張ってはいない。ただし、VHSデッキを単に“ポン付け”した訳でもなく、ダビング機能などが綺麗に統合され、操作性もわかりやすい。いかにもファミリー向けの製品だ。また、i.Link端子がHDVカメラをサポートしているあたりが、いかにもソニー流のファミリユース向け製品といえる。
デジタル放送対応レコーダーとして考えると、予約録画機能などを中心に少々物足りない面もある。しかし、VHSデッキからの買い替え層など、それほどヘビーに録画するわけではないユーザーなら、とくに機能面に不満を感じることはないだろう。VHSデッキはまだ必要だけれど、やっぱりデジタル放送の視聴や録画も1台で済ませたい……という需要は確実にあるはずだ。
また、HDVカムを所有していて、子どもの成長をハイビジョン撮影しているが、田舎の両親にはVHSテープで送りたい、なんていうちょっと変則的な使い方にも便利だ。ただし、予約録画機能に秀でたほかの「スゴ録」シリーズとはまったく性格の違う製品である点は、購入時にしっかりと理解しておきたい。
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