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» 2006年09月13日 00時07分 公開

スピーシーズ、人型ロボット「MI・RAI-RT」を10月発売

スピーシーズは、人型エンターテイメントロボット「MI・RAI-RT」(ミライ・アールティー)を10月に発売する。“ITR”のコンシューマーバージョンという位置づけ。名付け親は、ソニー最高顧問の出井伸之氏だ。

[芹澤隆徳,ITmedia]

 スピーシーズは9月12日、人型エンターテイメントロボット“ITR”の市販バージョンを発表した。コンシューマー製品として、新たに「MI・RAI-RT」(ミライ・アールティー)という名称が与えられ、10月に販売をスタートする。名付け親は、ソニー最高顧問の出井伸之氏だ。

photophoto 「MI・RAI-RT」。試作機に比べると、「身長が2ミリほど伸び、体が微妙にリッチになっている」らしいが、ほとんど違いはわからない

 MI・RAI-RTは、無線LANを通じてインターネットに常時接続し、専用の番組コンテンツなどをダウンロード・再生できるエンターテイメントロボット(→インタビュー記事)。ハードウェアの仕様は、基本的に4月に発表された“ITR”と変わらず、身長約33センチ、体重1.5キロのスマートなボディに22自由度と3箇所のLED表示を持つ(→発表記事)。OSは、NetBSDベースの「Speecys OS Rev.2.0」だ。

photo 専用スタンド

 初回ロットとして限定250台を生産し、10月31日に出荷を開始する。価格は29万4000円。ITR発表時の予価(19万円)には及ばなかったものの、1年間のサーバ使用料が付属するほか、専用スタンドやバッファロー製の無線LANアダプタなどが標準添付される。9月30日から同社Webサイトなどで予約受付を開始すると同時に、秋葉原の「Laoxザ・コンピューター館」で発売イベントを開催するなどコンシューマーに向けて大々的にアピールする方針だ。同様のイベントは、全国主要都市数十箇所で実施するという。

 スピーシーズの春日知昭社長によると、MI・RAIという名前は、出井氏が「ロボットの未来を切り開く」という期待を込めたものだという。「出井さんには、ロボットだけではなく、ロボットを取り巻くさまざまなものを作れ、といわれた」(春日氏)。

 その言葉通り、今回の発表会ではMI・RAI向けのネットワークサービスとして「3Dメッセージ」が紹介された。3Dメッセージは、声のメッセージにロボットの動作(モーション)やBGMを組み合わせた新しいコミュニケーション手段。MI・RAI RTのユーザー同士でメッセージを交換できるのはもちろん、自分宛にメッセージを送って自宅のロボットを遠隔操作することもできる。

 3Dメッセージは、携帯電話やパソコンからロボットにメッセージを送信できる。たとえば、父親が帰宅前に「今から帰る」というメールを送信するとき。携帯電話から操作用のWebサイトにログオンしてメッセージを書き込み、モーションのテンプレートから内容に合ったものを選ぶ。送信後、自分の受信ボックスを開いて自分のメールを“再生”すれば、自宅にあるロボットが動き出してメッセージを読み上げてくれる。

 モーションのテンプレートは約100種類、BGMは約50曲が用意されている。また、セリフと動作を組み合わせた「SYGSAテンプレート」も約240種類あり、こちらはセリフをすべて男女6人の声優が吹き込んでいるという。

photophoto SYGSAテンプレートは、シチュエーションごとにジャンル分けされている。ためしに「女性A」の声で「うらめしや〜」というモーションをチョイスしてみると……右の写真参照。見た目はコミカルだが、声はなかなか雰囲気が出ていた

 MI・RAI-RTでは、このほかにも専用サイト「ロボタミア」を通じてコミュニティに参加したり、「SIGSA JIMAN」(仕草自慢)というコーナーで自作の3Dメッセージを公開するなど、ネットワークを利用した遊び方を提案している。また、ロボットにダウンロードして再生する専用コンテンツも「天気情報」「クイズ」「占い」「ロボットダンス」(音楽)など豊富に用意する予定だ。なお、MI・RAI RTを長期間放置しておくと、BGR機能(ロボット・バック・グラウンド)が働き、勝手に専用コンテンツをダウンロードして再生してみたり、独り言をつぶやき始めたりするらしい。

 春日社長は、同社のロボットビジネスの方向性として“Speecysのロボット三原則”を掲げる。三原則とは、1.家族の一員になる(戦わない)。2.エンターテイメントを提供(情報や娯楽)。3.ロボットによる情報の3D表現の楽しさを追求。あくまでもエンターテイメントを軸に、ロボット用コンテンツやアプリケーションの充実を図る方針だ。

 「MI・RAI-RTは、誰もが家庭で楽しめるロボットエンタテインメントの創造。家庭内における、ラジオ、テレビ、PC、携帯電話に次ぐ“第5のメディア”として一般家庭への普及を目指す」(同氏)。

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