この「データ・トランスポート」は単体で起動するソフトではなく、プリンタドライバのようなソフトである。プリントする代わりに、データをJPEG出力しEX-S770に転送する仕掛けだ。転送したデータは、撮影画像とは別のフォルダに自動保存される。
画像サイズは、VGAから10メガ相当までの5段階を選択でき、カメラ上で拡大再生できるので小さな文字も読み取れる。ウェブの1ページを転送するのにかかる時間は数秒程度で、紙に印刷するよりはるかに手っ取り早い。
もうひとつのソフト「フォト・トランスポート」も同じくデータをJPEG変換して転送できるが、使い方が異なる。フォト・トランスポートでは、表示中のパソコンの画面を範囲指定し、特定の部分のみを取り込める。
ウェブの1ページの情報が多い場合には、ページ単位で転送する「データ・トランスポート」よりも、任意の部分のみを転送できる「フォト・トランスポート」を使ったほうが便利だろう。上の例のように、住所と電話番号、地図の部分だけを切り取ってカメラに取り込める。
また「フォト・トランスポート」のボタンの上に、JPEGやBMPファイルをドラッグ&ドロップすることで、画像を自動的にリサイズし転送することも可能だ。例えば、これまでにほかのデジカメで撮ったお気に入りの写真をEX-S770に取り込み、持ち運んで人に見せるといった活用法が考えられる。
さらに「T-Time 5.5.7 for CASIO」を使えば、拡張子「.book」や「.ttz」の電子本、またはテキストやHTMLファイルをJPEGファイルとして書き出し、カメラに転送できる。この電子本をデジカメに書き出す機能は、ボイジャーの「T-Time」がもともと実現していた機能で、それがEX-S770の液晶サイズに合わせて最適化されている。
標準モードの場合、電子本1ページの容量は数十キロバイト程度。ここで試用したサンプルの「古典落語(上)」の場合、215ページとなり、ファイル容量の合計は約14Mバイト。カード容量を圧迫するほどではないし、最近は大容量のSDカードが安価になっているので問題はないだろう。
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