KDS-50A2500の接続端子は、ビデオ入力が3基、コンポーネント入力(D端子)が2基、PC入力が1基(アナログRGB/D-sub15ピン)と、最近のテレビ製品では平均的な仕様だ。ただし、HDMI端子は3基を装備ずみと、少しばかり先んじている。そのうち1基は前面のカバー内にあり、主にソニーのハイビジョンハンディカム、あるいはPlayStation3との組み合わせを想定しているようだ。
あらかじめ認識していた欠点としては、「i.Linkが省略されている」「HDMIがバージョン1.3ではない」ことが挙げられる。また、導入後にやや不便に感じたのは、「S端子を備えたビデオ入力は1系統のみ」という点。たしかに、HDMIやコンポーネント以外の映像入力端子は利用機会が減っているものの、さすがにS端子が1基のみでは、やや厳しいと感じる。
ソニーでは従来から、独自の映像信号処理技術「デジタル・リアリティ・クリエーション(DRC)」による、標準テレビ信号の高解像度化変換を売りにしてきた。実際、これまで利用していた液晶WEGAでもベガエンジン(ハイエンドモデルではないので、“いちおうDRC搭載”といったレベルだが)の恩恵を受けてか、SD信号入力時にも(美しいとはいわないものの)違和感の少ない映像を視聴できていた。
このA2500シリーズでも、高画質回路技術として「ブラビアエンジンプロ」を搭載しており、そこには「DRC-MF v2.5」も含まれている。それゆえ、コンポーネント端子が不足しても、S端子を利用すれば、とりあえず間に合わせにはなるはずなのだが、かんじんの端子が1つしかないのではどうしようもない(コンポジット接続はさすがにちょっと……)。
さて、以前のフロントプロジェクターとテレビを組み合わせたスタイルにおいては、映画とレーシングゲームはプロジェクターで大画面投影し、それ以外の映像視聴やゲームはほとんどテレビですませていた。これらをすべて、プロジェクションテレビ1台へまとめてやればいいわけだが、わが家の場合は少々ややこしい。なぜなら、プロジェクターでのDVD視聴に関しては、PCから表示を行っていたからだ。つまり、プロジェクターのパネル解像度(1280×720)に合わせて出力してやることで、無駄なスケーリングが介在しない映像を確保していた。
実はA2500を選択した理由には、画質以外に、PCとの接続性に対する期待もあった。この製品ではHDMIが1080p対応なため、DVI→HDMI変換ケーブルを利用した場合、1920×1080解像度でもインタレース(1080i)に落とし込む必要もないだろう。また、PC入力(アナログRGB)の対応信号に関しても、条件つきながら1920×1080まで対応と仕様には記されている。なにより、リアとはいえプロジェクター系ということで、こちらの思惑どおりに“なにかとうまく処理”してくれるのでは、という甘い見通しもあり……。
しかし、これらはあくまでも勝手な期待にすぎず、実際の表示具合は接続してみないとわからないものだ。そこで導入後に試したところ、いろいろと難が生じ、少しばかり苦労を重ねる羽目に陥ってしまった。
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