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LifeStyle主催「AVアンプ&スピーカー体験イベント」リポート「PS3」でBDビデオを体験(2/2 ページ)

» 2006年11月13日 23時00分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 午後のセミナーは、ホームシアター体験だ。イベント前日の11月11日に発売されたばかりの「PS3」を持ち込み、ヤマハの新型AVアンプ「DSP-AX2700」、DLPプロジェクター「DPX-1300」と組み合わせてBDビデオを体験する。なお、PS3は出荷直後のバージョンアップ済み。AVアンプとの接続はHDMIだ。

photophoto 「DSP-AX2700」(左)。見た目は「DSP-AX4600」と同じだが、基盤を強化しつつ、構造を一から見直した。電源ケーブル(右)はキャメロットテクノロジー「PM-780」。価格は5万7750円(1.5メートル)とPS3本体と同じくらい

 スピーカーは、フロント/リア/センターが「Soavo-1」×5本、プレゼンス/サラウンドバックには小型の「Soavo-900M」×4本、サブウーファーは「Soavo-900SW」という構成。また今回は、サエクコマースが取り扱うキャメロットテクノロジーの電源ケーブル「PM-780」「PM-900」、電源タップ「TAP-PLUS」を使い、標準ケーブルとの違いを聴き比べる。

photophoto プレゼンス/サラウンドバックには小型の「Soavo-900M」(左)、サブウーファーは「Soavo-900SW」(右)

 まずは、エソテリックのユニバーサルプレーヤーを「DSP-AX2700」にS/PDIF接続し、“PURE DIRECTモード”でCDを再生する。ダイアナ・クラールのCD「Look of love」から「Love letter」をチョイスし、女性ボーカルで音質をチェックしながら、昨年のミッドレンジモデル「DSP-AX4600」と比較した。

 「AX2700は型番からいうとAX2600の後継と見られがちだが、実は、昨年“音がいい”と言われたAX4600よりもさらに音がいい。AVセンターは(ピュアオーディオに比べ、DSPなど)余分なものが多いため、どうしても中高域が不足したり、高域の透明感がなかったりするものだが、AX2700ではかなり進化している。また(アンプの)音が改善してノイズが減ると、音の数が減って“もの悲しい”ような感じになるものだが、電源を強化すると音の密度を維持しながらS/Nが上がるような印象になる」。

 ダイアナ・クラールで比較試聴を終えた後は、ダミアン・ライスのCD「O(オー)」から「ザ・ブロウワーズ・ドーター」で男性ボーカルの表現力もチェックした。

 続いていよいよ映像とサラウンド音声だ。手始めにDTSデモディスク(DVD)の「イノセンス」(DTS-ES 6.1ch)で前後左右に移動する音を体験したあと、お待ちかねの「PS3」登場。「PS3はAV機器としてどうなのか? という質問をよく受ける。操作性や本体表示がないため、従来の意識で使うと使いにくい面があるが、Bluetoothのコントローラでフリースタイルに使える。画質は専用機と比べても遜色ないと思う。音はHDMIとS/PDIFしかないため、同軸を使いたい人は少し残念かもしれない」(同氏)。

photo 使用したPS3は出荷直後のバージョンアップ済みだが、これでファイナルではなく、今月下旬には、さらに画質が向上するファームウェアが配布される見込みだ

 タイトルは国内向けBDタイトルの中から、まず「南極物語」(ディズニー版)。音声はリニアPCMの5.1ch(16bit/48KHz)だ。「Blu-rayの場合、ロスレスの24bit/48kHzのほうが音がいいと思う。でも音が“いっぱい詰まっている”ような、非圧縮ならではの良さがリニアPCMにはある」。このとき、AX2700は「シネマDSP-plus」をオンにして「スペクタクル」モードを使用。続く「ホーンテッドマンション」では、「ドラマ」モードで再生した。「以前のイメージと異なり、これだけ自然に使えるDSPモードが出てきた。ヤマハのAVアンプを使うなら、プレゼンススピーカーは付けたほうがいいと思う」。

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 このほか、「60セカンズ」「プロデューサーズ」「キングダム・オブ・ヘブン」など、BDビデオを立て続けに視聴。このうち、キングダム・オブ・ヘブンは、ロスレスのDTS-HD Master Audioで収められているが、残念ながら対応機器はまだ存在しない。ただし、DTS-HD Master Audioは従来のDTSと互換性のある5.1chのコアストリーム(1.5Mbps)を含んでいるため再生は可能だ。なお、PS3は近い将来、アップデートでDTS-HD Master Audioに対応する見込み。PS3の内部でデコードを行い、HDMIからリニアPCMのマルチチャンネル(24bit/48KHz)を出力できるようになる。

 「“次世代オーディオに対応していないとAVセンターは購入できない”という声も多いが、それはちょっと違う。確かに新しいコーデックはたくさんのチャンネルをサポートしているが、ディスクの仕様は上限7.1ch。プレーヤー側でデコードしてPCMマルチチャンネル出力できれば、(AX2700のような)HDMI1.1以降を備えたAVセンターで十分に楽しめるはず」(本田氏)。

 このほか、リニアPCM 7.1chのデモディスクなども試聴し、1時間半におよぶ「おそらく日本で一番早く、PS3をAV機器として使ったイベント」は終了した。なお、今回のイベントに参加した人の中から一名に「Soavo-1」を提供し、モニターを行ってもらう予定だ。

試聴タイトル一覧(午後の部)
1 CD「Look of love/ダイアナ・クラール」 Love letter
2 CD「O(オー)/ダミアン・ライス」 ザ・ブロウワーズ・ドーター
3 DVD「イノセンス」(デモディスク)
4 DVD「ボズ・スキャッグス ライブ」
5 Blu-ray「南極物語」
6 Blu-ray「60セカンズ」
7 Blu-ray「ホーンテッドマンション」
8 Blu-ray「プロデューサーズ」
9 Blu-ray「キングダム・オブ・ヘブン」
10 Blu-rayデモディスク

試聴システム一覧
Soavo-1 フロント/センター/リアスピーカー
Soavo-900SW サブウーファー
Soavo-900M プレゼンススピーカー
DSP-AX2700 AVアンプ
DSP-AX4600 AVアンプ
MAJIK CD CDプレーヤー
MAJIK KONTROL プリアンプ
MAJIK 2100 パワーアンプ
UX-3 SE ユニバーサルプレーヤー
PM-780 電源ケーブル
PM-900 電源ケーブル
TAP-PLUS 電源タップ

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