日立製作所の新型「Wooo」は、従来製品とは一線を画すスタイリッシュなDVDレコーダーだ。滑らかにラウンドした筐体は、横から見るとクサビ型。店頭でも大いに目立つ、文字通り“とんがった”DVDレコーダーである。
この独特のデザインは、どのようなコンセプトで生まれたのか。どのような機能を持つのか。日立製作所ユビキタスプラットフォームグループ、マーケティング事業部ストレージ機器商品企画部の島上和人担当部長、同じくストレージ機器商品企画部の井町秀明技師に詳しい話を聞いた。
――まず、DVDレコーダーに斬新なデザインを採用した背景を教えて下さい
「地デジの広がりとともにDVDレコーダーもハイビジョン時代に突入しました。昨年はレコーダー全体に占めるデジタルチューナー搭載機の構成比は23%と大きく伸長し、2006年には50%に達すると予測しています」
「市場全体が伸びていく中、メーカー間の競争は激しさを増し、われわれも“いかに差別化するか?”と検討する中でデザインに着目しました」
――最初に公開されたのは、Blu-rayレコーダーのコンセプトモデルだったと記憶していますが?
「そうです。次世代レコーダーを見据えたデザインコンセプトとして“薄さをいかに表現するか”を検討していました。出来上がったものが社内的に評判が良かったため、DVDレコーダーにも採用しました」
――デザインのコンセプトは「薄型フォルム&全方向デザイン」ということですが、もう少し具体的に教えて下さい
「薄型テレビが大画面化していますが、人の視線の高さを画面の中心に置くと、画面は上下に広がりますよね。そうすると(テレビの下に設置する)レコーダーの位置は下がります。低い場所にあっても操作しやすいことが重要になります。ですから新しいWoooでは、DVDドライブを斜め上方向から操作しやすいスタイルにして、また液晶ディスプレイや前面入力端子も斜めに配置しました」
「また、薄型テレビ向けのオープンラックに設置するとレコーダーの側面も目に入ります。このため、金属製フレームの上に樹脂製のモールドをはめ込み、ビスなどが見えないように処理しました。また、カバーは背面にかけてラウンドしていますので、真横から見てもスタイリッシュです」
「オープンラックだけでなく、幅の広いAVラックなどでは、一番上に置いても見栄えがすると思います。これが“全方向デザイン”という意味です」
――「Cutting edge Design」(カッティング エッジ デザイン)という名称も付いていますが、この形状には何かモチーフがあったのでしょうか。
「デザイナーの話によると、饅頭を切った時の断面が発想のもとになったそうです」
――饅頭、ですか?
「ブラックでは分かりにくいですが、ホワイトやシルバーのモデルを横から見ると、なんとなく、それっぽく見えませんか?」
――なるほど
「饅頭というとあまり格好良くないかもしれませんが、発想のもとになった、ということでしょう。また、筐体の滑らかな曲線は、バターをバターナイフですくった時の形をイメージしたそうです」
――なるほど
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