ITmedia NEWS >

DVDレコーダーが“とんがった”理由インタビュー(2/2 ページ)

» 2006年11月16日 08時47分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
前のページへ 1|2       

――塗装も凝っていますね

 「最近のデザイントレンドとして、暖かみのある、本物の“素材感”が注目を集めています。たとえば最上位モデルは“ピアノブラック”と呼んでいますが、単なるブラックではなく、UV塗装を施して光沢と深みを出しました」

 「目指したのは“漆”の光沢感です。実は本物の漆塗り処理も検討していたのですが、やはりコストや製造上の課題が多く、残念ながら見送りました。あと、木目も検討しましたね」

photo

――木目調のDVDレコーダーも見たかった気がします。もちろんピアノ調のDVDレコーダーも初めてですが……量産にあたり、問題はなかったのでしょうか。

 「日立は携帯電話でUV塗装の経験がありますが、このような広い面積にUV塗装を施すのは初めてでした。そのため、まず関係のある工場などに相談してみたのですが、やはり経験はないと言われてしまいましたね」

 「結局、茨城県のひたちなか市にある自社工場で金型から塗装まで行うことになりました。しかしUV塗装は、うまくいかないと表面が波打って見えてしまいます。要は“歩留まり”をいかに上げ、量産品の品質を確保するか? という問題ですが、現場と設計部門でかなり打ち合わせや試作を繰り返し、製品化できました」

――個人的には、Blu-rayレコーダーのコンセプトモデルに使われていたヘアライン加工のアルミニウム外装も気になります

 「製品にすると、コストや重量といった問題が発生します。もちろん、画質や音質といった面ではメリットがあると思いますが、かなり重いです。今回は、塗装とモールドによる処理で、金属の重厚感よりも優しい印象を与える外装を意識しました」

――販売店やユーザーの評判はどうですか?

 「販売店に関しては非常に評価が高いです。他社製品とはハッキリと違いが分かりますから。インテリアの一部として訴求できると。また来店したお客さんに聞くと、やはり好き嫌いは分かれますが、概ね好反応です」

 「販売店から歓迎された理由の1つにリモコンがあります。新製品では、通常のフル機能のリモコンにくわえ、HDDの録画予約/再生に機能を絞った“らくリモ”を同梱しています。ボタン数は標準リモコンの60キーに対して3分の1の20キー。たとえば“とる”ボタンでEPGが起動し、“みる”でワケ録ナビが表示されます。やはり専門用語が多いと敷居が高くなりますから、らくリモは店頭で効果があるようです」

photo リモコンは標準で2つ付属する。右側が「らくリモ」

――最後に新しいWoooが気になっているユーザーに一言

 「今まで、DVDレコーダーはビデオデッキのような四角い箱ばかりでした。また、Woooは1TバイトのHDDやデジタル放送の2番組同時録画を早くから実現し、性能面の評価は高かったものの、なかなかそれが表には出せませんでした」

 「新製品は“ハイグレード”なデザインがテーマです。購入して箱から出したときに“いいものを買った”と感じてもらえるもの。そしてハイスペックを簡単に使える製品に仕上げることができました。店頭で是非触ってみて下さい」

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.