レビュー
盛りだくさんの機能を使いこなせるか――ペンタックス「K10D」(1/6 ページ)
ペンタックス「K10D」は、1020万画素CCDを搭載した多機能なデジタル一眼レフ機だ。今年7月に発売した「K100D」で実現したCCDシフト式の手ブレ補正機構「SR」を強化しつつ、新たに自動ゴミ除去機構「DR」や新エンジン「PRIME」を搭載し、さらにボディの防塵防滴化やAFなどの性能アップを図っている。
K100Dはビギナーにも扱いやすい製品だったが、今回のK10Dはエントリー層よりもやや上のクラス、主に写真愛好家層をターゲットにしている。そのため、ボディは一回り大きく重くなり、ボタンやダイヤルの数が増えた。ビギナーが手軽に撮るための「ピクチャーモード」が省かれ、かわりに絞りやシャッター速度、感度を自在に操って撮れる撮影機能が充実した。カスタム設定が豊富になり、自分の撮影スタイルに応じて操作性を変更しやすくなったことも見逃せない。
感度優先で撮れる新しい露出モード
K10Dでいちばん興味深いのは、2つの新しい露出モードだ。従来の一眼レフ機と同じ、プログラムAE(P)、シャッター優先AE(Tv)、絞り優先AE(Av)、マニュアル(M)の4モードに加え、感度優先AE(Sv)とシャッター速度&絞り優先AE(TAv)の2モードを新搭載した。
感度優先モードとは、ユーザー側でISO感度を設定すると、カメラが最適と判断した絞り値とシャッター速度に自動的に決められるモードのこと。これまでにない概念というわけではない。従来のデジカメでも、通常のプログラムモードなら、感度を自分で決めると絞りとシャッターが自動的に決まる。何でもない当たり前のことだ。
ただK10Dが新しいのは、この操作をプログラムモードとは別のモードとして独立させ、グリップ部にある電子ダイヤルで、感度をダイレクトに切り替えられるようにしたこと。つまり、撮影中にシャッター速度や絞り値を調整することと同じ感覚で、感度を直感的に変更できる。仮に結果として撮れた写真が、プログラムモードで撮ったものと同じだったとしても、撮影の流れの中でいちいちボタンを押したり、液晶を見たりせず、ファインダーから目を離さず、即座に感度を変更できることが何より大きなポイントといえる。
どんなときに役立つか。ひとつの例として、人物などの動きのある被写体を、ストロボを使わずに薄暗い場所でスナップ撮影するシチュエーションを想定してみよう。なるべく手ブレや被写体ブレを防ぐには、感度を高くしてシャッター速度を速くするのがいい。しかし高感度にするほど、画質が劣化するデジカメ共通の悩みもある。そこでふだんの撮影なら、ブレ防止と画質を天秤にかけた妥協点の感度で撮ることになるだろう。
だがK10Dの感度優先モードなら、1枚目は高感度で撮り、すぐに感度を変えて2枚目は低感度を撮る、といった使い方がスピーディに行える。例えば、人物の動きが少なくなった瞬間は、被写体ブレの確率が減るし、ズームレンズの焦点距離によっても手ブレの生じやすさが違ってくるだろう。そんな状況を逐一判断しながら、てきぱきと感度を使い分けられるのだ。また、意図的にブレを表現したカットとブレのない静止したカットの両方を、一連の流れで撮影したりもできる。
屋内と屋外を出入りしながら撮る場合など、シーンの光量が変化するシチュエーションでも便利だろう。これまでのプログラムモードに代えて、手軽なスナップ撮影の常用モードとして、感度優先モードを使ってもいいと思う。あるいは、同一のシーンをあえて感度を変えながら撮り、ノイズ感や粒状感の異なる画像を得る、といった利用法も考えられる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「年齢は合ってますが、人間ではありません」 6歳の飼い猫に届いた“進研ゼミの案内” なぜ届いたのかベネッセに聞いた
-
2
GMO熊谷代表「社内ホワイトハッカーが事前に指摘」も対策遅れ、国に「能動的サイバー防御」要請 「責任転嫁では」SNSで批判も
-
3
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
4
Apple、「iPad mini」を大幅刷新 8.5インチOLEDとA20 Pro搭載、防水にも対応 11万9800円から
-
5
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
6
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
7
ジョーシンへの不正アクセス、最大623万件漏えいか 運転免許証2件・マイナカード1件なども
-
8
グッスマに不正アクセス、公式EC閉鎖 会員の住所や注文履歴など漏えいか 再開目処立たず
-
9
野村総研、サイバー攻撃時の「能動的なシステム停止」を支援する新サービス
-
10
タイムズカー流出で顧客らが損害賠償求め運営会社提訴へ サイト開設の弁護士が記者会見
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR