プログラムモードとマニュアル露出モードについても、下位機K100Dにはない、K10D独自のこだわりがある。
まずプログラムモードでは、前の電子ダイヤルでシャッター速度を、後ろの電子ダイヤルで絞り値をそれぞれ調整できる。つまり、プログラムモードのままで、シャッター優先モードや絞り優先モードと同じ使い方ができる。そして、上面にあるグリーンボタンを押せば、プログラムモードに復帰する。この一連の操作は「ハイパープログラム」と呼ばれている。
またマニュアル露出モードでは、グリーンボタンを押すことで、その場の状況に応じた適正露出に素早くセットできる。これは「ハイパーマニュアル」と呼ぶもの。他のモードに比べて敷居が高いマニュアル露出モードが、より手軽に扱えるようになっている。
このハイパープログラムとハイパーマニュアルは、同社初のデジタル一眼レフ機「*ist D」や、さらにその前のフィルムの一眼レフ機から受け継いだ機能だ。どちらも使わない人にはまったく不要かもしれないが、その一方で、慣れると手放せないくらい便利な機能である。
ほかにも使い勝手を高める工夫を満載している。ホワイトバランスの設定は、設定メニューの表示中に仮の撮影を行って画像をバッファメモリに読み込み、その表示を見ながら最適なホワイトバランスを選べる。従来からあるデジタルプレビュー機能の応用といえる。ホワイトバランスをアンバー/ブルー/グリーン/マゼンタの4方向に微調整することも可能だ。
ワンタッチでRAW+JPEGモードに切り替わるRAWボタンや、AFの作動またはキャンセルができるAFボタンは、用途や使い方によっては役立つだろう。露出のオートブラケットを素早く設定できる専用ボタンも便利だ。メニューの設定からは、ホワイトバランスや彩度、シャープネス、コントラストが異なる3カットを同時記録する拡張ブラケットも利用できる。
さらに、各種の設定を記憶する「USER」モードを新搭載したことや、32種類のカスタム設定によってカメラの操作性や特性を自分流に変更できることもありがたい。カスタム設定では、プログラムラインを4タイプから選べたり、露出補正や感度のステップを変更したり、ストロボ発光時のホワイトバランスを固定したり、電子ダイヤルの働きを切り替えたりできる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR