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“タテノリ対応”のBluetoothヘッドフォン、ロジクール「FP-10」(2/2 ページ)

» 2006年11月22日 19時22分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 Bluetoothヘッドフォン最大の魅力は、iPodなどのプレーヤーをポケットに入れたまま、身軽に音楽を楽しめる点だろう。レシーバーとヘッドフォンは出荷時にペアリング済みのため、充電後はすぐに使用できる。伝送距離は最大10メートル。実際に試してみると、iPodをポケットや鞄の中に入れていてもOK。さらに、木製ドアを3つ挟んだ場所に移動しても聞き続けることができた。

photo ピースの外装がそのまま音量調節ボタンになっている

 右のイヤーピースにボリューム調整ボタンがある。操作は「+」「−」と書かれた部分を指で軽く押し込むだけ。ボタンが見あたらず(ピース全体がボタンになっている)最初は戸惑うかもしれないが、もとより装着している時は見えないのだから問題なし。押すと、しっかりクリック感もあり、悪くない感じだ。

 音質チェックに移ろう。従来機の「mm-05」はA2DP(Advanced Audio Distribution Profile:BluetoothのAVプロファイル)をサポートしていたものの、Bluetooth自体がバージョン1.2のため、伝送容量は最大1Mbps。ステレオ非圧縮データの伝送容量としては少なめだった。

 これに対して、FP-1はBluetooth 2.0+EDR規格となり、2Mbpsもしくは3Mbpsで通信が可能。mm-05が手元にないため直接比較はできなかったが、少なくとも他のBluetooth 1.x機器を使用したときのような情報量の不足は感じない。普段使用しているソニー製ノイズキャンセリングヘッドフォンと比べても、中域から低域は十分。全体的にノイジーな印象は受けるが“普段聴き”のヘッドフォンとしては申し分のないレベルだ。

 FP-10では、30mm径という「mm-05」より一回り小さいネオジウムドライバーを採用している。その代わりなのか、低音を強化する「ベースブーストモード」を搭載。「パワーボタンと音量ボタンを同時に長押し」という、ゲームの裏技的な操作でオンになる(成功するとゲームっぽい電子音がなる)。なお、パワーボタンを押し損なうと、音がやたらと大きくなったり、小さくなったりするので気を付けよう。

 最後にBluetoothデバイスとしての汎用性をチェックしておく。Bleutooth対応のプレーヤーと直接接続できれば、レシーバーを使う必要がなく、さらに身軽になるはず。ただし、Bluetooth 2.0+EDR/A2DPは登場してから時間が経っているにも関わらず、パソコンや携帯電話を含むプレーヤー側のサポートがあまり進んでいない。

 実際、手持ちのBluetooth対応機器で試してみたところ、まず「PowerBook G4」(1GHz)ではFP-10を見つけることができなかった。「MacBook」は製品名の表示まではいけたものの、「対応するサービスが見つからない」と言われてアウト。一方、携帯電話は「P902iS」との接続が確認できた。

photophoto 「MacBook」は製品名の表示まではいけるが、サービスが見つからない(左)。「P902iS」は音楽再生は音楽再生までOK(右)。なお、FP-10をサーチモードにする時は、LEDがレッド/ブルーの点滅をはじめるまでコネクトボタン(パワーボタン兼用)を押し続ける(30秒程度)

 もちろん、直接接続できなくてもイヤフォンジャックにFP-10のレシーバーを接続すれば問題なく使える。ただし、付属のアダプタに上面が平らなものがなく、接続中はパソコン本体からレシーバーが少し浮いてしまうのが残念だ。


 FP-10の魅力は、ワイヤレスの身軽さ、本体の軽さにくわえ、装着時に耳をしっかりとホールドしてくれる点だろう。夏場は暑苦しいかもしれないが、体を激しく動かしてもめったに外れない、タテノリ対応のヘッドフォンといえる。(ちなみにタテノリとは、4ビートの反復により、体がタテ方向に揺さぶられる曲を指す。参考文献:教えて!goo)。スポーツしながら音楽を聴きたい人、あるいは夜中に人知れずエアギターの練習に励みたい人などにも適したヘッドフォンである。

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