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プラズマテレビ、大画面でも苦戦の傾向

» 2006年12月06日 15時14分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 BCNは12月6日、パソコン/AV家電の年末商戦動向について、同社の発行してる「BCNランキング」からの分析結果を発表した。プラズマテレビは金額ベースで初の前年割れを記録するなど、これまで急伸していた薄型テレビの成長にかげりが見られる結果となっている。

 同社の「BCNランキング」は全国大手パソコン量販店のPOSデータを日ごとに収集、商品カテゴリごとに集計したもの。データ提供店舗は全国22社、店舗数は約2300店舗に及ぶ。

 薄型テレビはこれまで台数ベースの対前年同月比で130%前後の伸びを示していたが、冬商戦の始まった10月の集計でも前年同月比115%と伸び悩んだほか、金額ベースでは103%とひとケタ成長となってしまっている。

photo 薄型テレビの対前年同月比率

 各メーカーが6月のワールドカップを2006年最大の商戦期ととらえ、年末に向けてはさほど大幅な製品ラインアップの刷新を行っていないことや、値下がり期待の買い控えといった懸念もあるが、BCN 取締役の田中繁廣氏「急拡大を続けてきた薄型テレビ市場が来年にも踊り場に差し掛かる可能性がある」と指摘する。

 売り上げ台数/金額については11月に回復基調を見せ始めたが、液晶とプラズマについてはこれまで言われていた、40インチ以上の大画面はプラズマという“液晶/プラズマ住み分け論”を覆すような傾向を見せ始めている。

 液晶/プラズマを画面サイズ別に金額比で集計したデータによれば、液晶のボリュームゾーンは32〜40インチ未満、プラズマは40〜45インチ未満。ここまでは住み分け論のとおりだが、40インチ以上の液晶テレビも金額構成比で20%を超える数値を記録している。

photo 1年前と比較すると、50インチ以上でも液晶の存在感が増している

 インチ別の金額構成比を2005年11月と2006年11月で比較すると、50インチ未満では大きな変化が見られないものの、50インチ以上ではこれまで2.7%にすぎなかった構成比が32.9%まで上昇している。

 これまでプラズマしか選択肢のなかったこのクラスへ、各社が液晶の新製品を投入し製品種別が増えたことが原因と思われるが、田中氏は薄型テレビの購入を検討するユーザーが、液晶かプラズマかではなく、「どのブランドを選ぶか」という認識も持ちつつあるとも指摘する。

 「AQUOSの52V型液晶(LC-52GX1W/LC-52GX2W)は50インチクラスの大画面テレビとして考えればプラズマよりも割高だが、それでも売れている。ユーザーのブランドロイヤリティは液晶有利に傾きつつあるのではないだろうか」

photo BCN 取締役の田中繁廣氏。2007年の薄型テレビの展望については「オリンピックやワールドカップなど大きなイベントのないはざまの年。これまでのような急伸は望めないのではないか」と分析

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