お手軽アンケートツール「+D QUICK POLL」。今回は「もうすぐ冬ボーナス、欲しいAV機器は?」と聞いてみたところ、薄型テレビがダントツの1位となった。新製品ラッシュが落ち着いた感もあることから、「購入」を念頭に関心が深まっていることがうかがえる。
「新製品ラッシュが落ち着いた〜」と述べたが、昨年の同時期に比べると、間違いなく新製品(特に液晶テレビ)の投入ペースは落ちている。LifeStyleの「デジタルTV」のページを見ると分かりやすいと思うが、ここ数カ月は値下げやアクセサリ類追加のニュースが多い。Gfkマーケティングの売り上げランキングを見ても、まだ今年の春〜夏に発表されたモデルの人気が高いことがよく分かる。
なぜ冬モデルの登場が積極的に行われず、市場でもさほど高い人気を博さないのか(前述の売り上げデータでの1位はシャープの「LC-32BD1」。これは3月発売のモデル)。個人的には、6月に行われたワールドカップを狙った昨年冬から今年夏のモデルで、「テレビ」としての基本的な機能は既に一定水準に達してしまったからではないかと考えている。
その証拠に、今年の冬商戦モデルとして投入されたモデルは「レコーダーなど周辺機器との連携」(シャープの「AQUOSファミリンク」)、ハイエンドモデルでの「1080p入力/xvYCC対応」(ソニーのBRAVIA Xシリーズ)などといった、どちらかといえばテレビの基本性能以外の部分に強化の重点が行われている印象が強い。
テレビとしての基本性能がある程度に達すれば、次に市場で起こる現象は価格の低下とバリエーションモデルの増加。そして準大手メーカーと量販店ブランド勢の躍進だ。バイ・デザインは継続して新製品の投入と価格改定を続け、PCデポやナナオも新モデルを用意した。日本ポラロイドは「日用品ブランドになりたい」という意気で新参入を果たした。
もちろん、日立製作所が同社初のフルHD対応プラズマ“Wooo”を、パナソニックは受注生産ながらも世界最大サイズという103V型のフルHDプラズマを用意するなど、オンリーワン商品も多く向けて登場している。ただ、これらは一部の愛好家へ向けたい製品であり、マスを狙う製品ではないのは明確だ。薄型テレビの市場はこれまでの「目新しさ」「先進性」をキャッチとした急成長市場から、熟成市場へ変化しつつあるといえるだろう。
「目新しいモノ」から「一般的な家電製品」へ――。今冬は、薄型テレビの購入を検討するに、いいタイミングなのかも知れない。
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