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8ユニットでナチュラルなサラウンドヘッドフォン――ノバック「HP-850XB」レビュー(1/2 ページ)

» 2007年01月05日 17時34分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 映画はサラウンドの大音響で楽しみたい、けれど家庭の事情がそれを許さない……。そんな映画ファンにとって、DVDやゲームでのサラウンド音場を手軽に得られるサラウンドヘッドフォンは非常にありがたいアイテムだ。

 ニッチともいえるジャンルではあるが、ソニーやパイオニア、パナソニック、ビクターなど各メーカーが製品を用意しており、その選択の幅は広い。そのほとんどが通常のステレオヘッドフォンになんらかのバーチャルサラウンド技術を組み合わせ、疑似的にサラウンド環境をつくりだしているが、例外的な製品も存在する。

 そんな製品のひとつが、ノバックの“CHAMPION-Real5.1ch Sounds-”「HP-850XB」だ。左右のハウジングにそれぞれ4つのスピーカーユニット(センター/フロント/リア/サブウーファー)を搭載し、ヘッドフォンながらもリアルな5.1chサラウンドを作り出す。

photo “CHAMPION-Real5.1ch Sounds-”「HP-850XB」

8つのスピーカーでリアル5.1chサラウンド

 本製品は合計8つのスピーカーユニットを搭載したヘッドフォンとデコードユニットで構成される。デコードユニットは縦型で、少し大柄なルーターといった風情。入力インタフェースとして、同軸デジタル/角形光デジタル/3.5ミリアナログの3種類を備える。ヘッドフォンとデコードユニットは有線接続だが、別売のヘッドフォン(HP-850S)を用意すると2人同時に利用できるのはユニークだ。

photophoto サイズ比較のCDとデコードユニット(左)、ヘッドフォン入力(右)

 対応するサラウンドフォーマットはDolbyDigitalとDolby Pro LogicII。PCMとアナログステレオ入力にも対応する。出力はフロント/リア/センターが50ミリワット、サブウーファーが14ミリワット。デジタル入力については、サンプリングレート96kHzには非対応となっており、一部のPC用オーディオユニットやDVDプレーヤーと本製品をデジタル接続する場合は、サンプリングレートを48kHzや44.1kHzなどに落としておく必要がある。

photophoto フロント(左)とリア(右)

 入力の切り替えはフロントパネルの「Input Selecet」ボタンで行い、その下にある「モード切り替え」スイッチでは、入力されているソースのサウンドがDolby Digital 5.1chならば「シネマ」と「ゲーム」、それ以外のサウンドについては、ステレオ出力かDolby Pro LogicIIによる出力を選択できる。

 最も大きなダイヤルはボリュームダイヤルで、そのまま操作すると、00〜80までの間で音量調整が行える。ただ、押し込むことで、フロント/センター/サブウーファー/サラウンド効果の各項目について±10の調整を行うこともできる。構造上、スピーカーユニットが耳のすぐそばに位置してしまう製品だけに、なかなかうれしい配慮だ。

 ヘッドフォンはオープンエアー型で、重量は約380グラム(コード含む)とそこそこある。合計8つのユニットを搭載する影響だとは考えられるが、電源を内蔵するコードレスサラウンドヘッドフォンなみの重量だ。搭載するユニットは40ミリ(フロント)/23ミリ(リアおよびセンター)/30ミリ(サブウーファー)となっている。

photo ヘッドフォン。
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