ITmedia NEWS >

「Suica私書箱」と世界標準ケータイ「Nokia E61」を使ってみたら?!プロフェッサー JOEの「Gadget・ガジェット・がじぇっと!」(3/4 ページ)

» 2007年01月25日 19時57分 公開
[竹村譲,ITmedia]

 自分の「えきあど」宛に、世界の何処かにあるポストから投函された郵便物がどういうルートで配達され、受け取ることが出来るのか、そのプロセスを簡単に紹介しよう。詳細は後述するとして、まず自分宛の郵便の到着は、Eメールで知らされる。契約の際、筆者は連絡先として、一般的なインターネットメール・アドレスを指定しており、その到着メールすべてをケータイメールに転送しているので、出先なら、日本郵政公社からのメールは、ケータイで知ることになる。

 「えきあど」私書箱は、東京駅丸の内北口の地下通路にある。都内がワークスペースで、本とステーショナリが趣味のひとつである筆者は、東京駅にほど近い「OAZO」に行くことも多く、「えきあど」私書箱は通り道なのだ。丸の内北口地下のドン詰まりに位置する数百の小さなSuicaカラーの小さなロッカー(私書箱)の集合は正に圧巻だ。まだまだ知る人も少ないのか、私書箱の前でおサイフケータイを持ってごそごそしていると通行人の視線を背後に感じることが多い。

photophoto 早速、おサイフケータイを接近させて本人確認を始める(左)、続いてあらかじめ契約時に決めた4桁の暗証番号を入力する(右)
photophoto 即座に自分の契約した私書箱の扉が開く(左)、おおっ、なんと彼女からクリスマスカードが、しかし今日はもう28日。どうも間違って年賀状の投函口に入れたらしい……(右)

 基本的には、契約した時と同じSuicaやおサイフケータイを、駅改札と同様のSuicaリーダーに載せたのちにディスプレイの指示に従い、4桁の暗証番号を入力すれば、自分専用の私書箱が開く。Suicaを契約の時と異なるSuicaに変更した場合や、契約期限の延長などもすべてこのディスプレイの前で処理できる。なお、契約は1カ月か3カ月単位の延長方式だ。

 前述の「〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-9-1 えきあど-XXX ○△□様」という住所の、「〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-9-1」までの部分は、実は「東京駅の住所」なのだ。

 後半の「えきあど-XXX ○△□様」は東京駅構内の郵便番号のようなモノで、毎日届けられる「えきあど」の各私書箱あてのメールを東日本キオスクが、各私書箱への配達している。メールが到着した私書箱のフラグをオンにすることで、利用者があらかじめ指定したメールアドレス宛に規定の郵便物到着の案内メールが送信される仕組みだ。

photo 予想外に大きな荷物が届いた場合は、隣接する宅配ロッカーに預かってくれる。もちろんSuicaで追加の料金精算は必要だ

 私書箱に入りきれない大きな荷物が送られてきた場合は、隣接する会員専用ロッカーへ一時的に保管してくれる。メールを受け取りに行った際に、隣接するロッカーの使用料金をSuicaで支払うことによって、私書箱に入り切れない大型の郵便物も受け取ることができる。

 セキュリティの観点から、暗証番号の入力時や私書箱解錠の際に、タッチディスプレイの真上にあるCCDカメラで、ユーザーの顔が撮影される。これは自分のアリバイにも使えそうだが、推理小説のネタにも十分に使えそうだ。いろいろ考えられる不正使用のケースを想定し、この写真撮影が「えきあど」私書箱事業化における警察の前提条件だったとも思える。

 「会員制Suica私書箱サービス」は当初、東日本キオスクの社内ベンチャーとしてスタートし、試行期間を経て実際のビジネス展開となったらしい。現在は東京駅のみのサービスだが、いずれ全国JRの多くの駅で展開したいらしい。駅で宅急便を受け取れたり、郵便局とコンビニがコラボレーションする世界は、拡大が見込めるマーケットだろう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.