ピュアオーディオのファン層は、「amadana」が想定しているユーザー層とは異なるからです。ピュアオーディオを突き詰めていくと、高価で敷居の高い製品になりがち。一方、われわれの想定ユーザーとしては、30前後の男女で、最近薄型テレビを購入してホームシアターに興味を持っているけど、部屋の広さや配線の都合でリアスピーカーを置けない、あるいは置きたくないといった方々でしょうか。
私も自宅にホームシアターセットを持っていますが、普段からリアスピーカーを置いておくことができないため、映画を見るたびに配線しなくてはなりません。以前から、できればフロントの2本だけで楽しみたいと考えていました。
――わかります。しかし、同様のフロントサラウンドホームシアターセットは、その多くが2.1ch構成です。サブウーファーを付けなかった理由はなんですか? また、最近のDVDプレーヤーはHDMIを搭載しているものが増えていますし、AVアンプならDTSにも対応しているのが普通です。こうした機能を省いた理由も合わせて聞かせてください。
まずサブウーファーですが、これを付けると途端に“映画寄り”の製品になってしまいます。もちろんDDA-134は、スピーカーを増やして本格的な5.1chサラウンドを楽しむこともできますが、できれば“音楽寄り”のサラウンドセットとして2chを提案したかった。
HDMIは、配線の煩雑さを解消するメリットも大きいのですが、開発の負担が大きいと判断しました。DTSに関しても同じです。DVDプレーヤーですから、ドルビーデジタルとリニアPCM対応は必須(規格上も必須)で、これに対応していれば、少なくとも5.1chサラウンドは楽しめる。また地上デジタル放送の普及状況を考えればAACデコードはマストの機能でしょう。でもDTSは必須ではない(規格上もオプション)。つまり、さまざまな機能を付加して価格を数万円もアップさせてしまうより、必要最小限の機能を盛り込みつつ、割り切るところは割り切ったということです。
DDA-134では、CDも「ドルビープロロジックII」で5.1ch化できますし、2chでも「ドルビーバーチャルスピーカー」を使って音の広がりを楽しむことができます。さらに「ドルビーヘッドフォン」をサポートしているので、夜中に映画を見たいときにもヘッドフォンでサラウンドを楽しめます。
――ユーザー層と利用シーンを考えて機能を取捨選択したということですか。
そうです。(HDMIのような)新しいインタフェースや新機能に対するコダワリというのは大手のオーディオ機器メーカーでもできます。しかし、amadanaのインテリア性/デザイン性は真似することは難しい。マスマーケットを狙うと、このデザインはなかなか出てこないと思いますよ(笑)。それを大手メーカーと同じ価格帯で提供できればいい、と思います。
ただ、AVアンプには5chアンプ(サブウーファーはプリアウト)が入っていますし、5.1chに対する需要も高い。ゆくゆくは5.1chのサラウンドセットやスピーカーの単体販売といった展開も検討していきたいと思っています。
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