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ズームもムービーもOKな新EXILIM「EX-V7」レビュー(3/5 ページ)

» 2007年02月15日 09時00分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

再生や動画機能もてんこもり

 静止画撮影以外の機能もてんこもり。

 動画はLPモード時はお馴染みのMotionJPEG。それ以上のモードではH.264のMOVファイルとなる。データレートはVGAサイズの最高画質(UHQ)で720KB/sec、848×480ピクセルだと約870KB/secとなる。JPEG系の半分以下で済むし、UHQならブロックノイズも気にならない。撮影中のズーミングももちろん可能で、音声はステレオ。画質といい手軽さといい機能といい「動画デジカメ」としてかなりハイレベルなデキだ。これはいい。

 ベストショット動画では、パストムービー(常時バッファに動画を記録し、シャッターを押すとその数秒前の分から記録してくれるため、シャッターチャンスに強い)も使える。

 再生時は、撮影時の特殊機能のいくつかを適用できるのが特徴だ。

 前述した「レイアウトショット」はわざわざ撮影時に行うより、撮影後に行うのが自然で、再生モードでもレイアウト写真を作ることができる。さらにダイナミックレンジ、ホワイトバランス、明るさ補正、退職補正、アングル補正(ビジネスショットと同じ)といったデジタル処理ものはあとからでも補正が可能だ。カメラ内でできることは何でもやっちゃおうという感じで、撮った写真をレタッチしないでそのまま使う、そのままプリントするという人には再生時にこういう処理を行えるのはとても便利である。

小さいわりに幅広く使える楽しいデジカメ

 では実際の使用感を。

 液晶モニターは2.5インチの23万画素高輝度液晶。

 EXILIMらしいのは、周辺の明るさを感知してバックライトの明るさを自動調整する機能。見栄えはよいが、液晶モニターの画像だけで露出を判断すると間違いやすい。撮影時のプレビューでは適正だったのに後で再生画像を見るとアンダーになっていた、ということもあるからだ。それを嫌う人は明るさ固定で。

 AFやレリーズタイムラグは短く、きびきび撮れる印象だ。この辺の小気味よさはEXILIMらしいところ。

 撮影後は確認画像が表示されるが、これが少しボケて見える。精神衛生上よくないが、再生モードで確認すると何の問題もないので慣れちゃえばいいのだろう。

 画質面では、ボケがあまりきれいじゃないし、レンズの収差も気になるが、このサイズで7倍ズームだからしょうがないだろう。色はキレイに出ているし、ノイズも気にならない。

 特に高感度時の画質は1年前のモデルに比べて進化し、高感度時のノイズ低減の不自然さは減った。感度を上げるにつれディテールは失われるし、ISO800ではかなりノイズが浮くが、偽色ノイズは抑えられており、実用性は上がっている。

photo お馴染みのクレードル。クレードルで充電・パソコンとの接続が可能で、クレードルの「PHOTO」ボタンを押すとスライドショーが始まる
photo 底面。三脚穴は端にある。接続用の端子は底面のクレードル用端子のみとなっている
photo バッテリーは横長のガムタイプ。950mAhの容量を持つ

 バッテリーは細長くなり、撮影可能枚数も約240枚(CIPA規格)に。電池の保ちとしては一般的だが、Zシリーズに比べると少ないため、EXILIMだから持ちがいいと思ってる人は要注意だ。

 このようにデジカメでは一般的な機能に加えてEX-V7ならではの個性的でデジタルな機能がてんこもり。

 これだけ機能が多いのにメニュー構造やユーザーインタフェースは以前のままなのが残念。ワイド液晶搭載モデルが採用した操作パネルのようなひと工夫が欲しかった。

 ただ豊富な機能をいちいち使いこなさなくても、このサイズで266ミリ相当まで寄れて手ブレ補正も効いて動画もイケるとなれば、手に取る価値アリである。

 子供をスチルやムービーで撮りたいけど、望遠ズームカメラやビデオカメラは重くてかさばるから毎日気軽に持って歩けて、時には動画も顔のアップも撮りたいという人には最高の機種だろう。EXILIMが欲しいけど、手ブレ補正が……と思っていた人、チョイ望遠系の携帯しやすい手軽なカメラ欲しい人、高性能な動画デジカメが欲しい人にもぴったりだろう。

 特に高画質というわけではないが、楽しさ優先で使いたいそんなカメラである。

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