RHT-G800の外観もチェックしておこう。全体は黒をベースにしたシックな印象で、各スピーカーも黒とグレーのグリルで覆われている。前面に控えめな操作ボタン類があり、ステータスを表示するディスプレイ部はガラス天板の下に斜めに配置されていた。見にくい場所だが、映画などをじっくり楽しむ人には表示がジャマにならなくて良いかもしれない。
下を覗き込むと、新開発の「バイブレーション・キャンセリング・サブウーファー」がみえた。同技術は、2つのユニットが互いの振動を打ち消し合い、床への振動伝播を低減する仕組みだという。なお、ラック部分には、430ミリサイズの機器が4台収納できる。
J3000/J5000は、「Sシリーズ」の後継となるミッドレンジ&エントリーモデルという位置づけだ。このため、今回はフルHDパネルやx.v.Color、HDMI 1.3などの採用は見送り。代わりに10bitパネルや120Hz駆動の「モーションフロー」といった新要素が盛り込まれた。10bitパネルはJ5000シリーズの2モデルとJ3000シリーズの40V型に、またモーションフローはJ5000の2モデルに搭載している。
10bitパネルは、従来の8bitパネルと比較すると64倍の階調表現が可能。それにあわせて内部処理も「10bit以下では処理しない設計」(同社)とした。これにより、たとえば暗闇で明かりを灯すシーンなどのように、等高線状の疑似輪郭が発生しやすい場面のグラデーションが滑らかになるという。またXMBの背景(写真下)のようなCGのグラデーションもわかりやすい例だ。
一方の「モーションフロー」は、液液晶テレビ特有の残像感を軽減する倍速駆動&中間フレーム生成・技術だ。放送波は毎秒60フレーム(60i)だが、液晶パネルでは次のフレームに切り替わるまで同じ映像を保持し続ける(ホールド表示)ため、とくに動きのある場面ではボケ感が生じてしまう。いわゆる“動画解像度”が低下した状態になる。
これを解消するため、液晶パネルを倍速(120Hz)で駆動するとともに、60枚のフレームそれぞれの間に中間フレームを生成して動きを滑らかにするのが倍速駆動技術。ここで画質を左右するのが中間フレームの生成方法で、前後のフレームと自然に連続するよう、物体の動きを適切に判別する必要がある。「モーションフロー」の場合、縦・横・斜め方向の動き検知を行うアルゴリズムを採用して滑らかな動きを実現したという。
また、映画素材の場合はもとが24コマ/秒のため、フレーム間に4枚の中間フレームを生成する。たとえばゆっくりとしたパンのシーンなど、輪郭が揺れながら表示されるケースを軽減する。
モーションフローの効果は、メニューの「モーションエンハンサー」で調整可能。「強」「標準」の2段階および「切」を選択できる。また、入力端子ごとに設定をメモリーできるのも嬉しい部分だ。
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