「GZ-HD7」は記録媒体として60Gバイトハードディスクを内蔵し、また、Everioシリーズとしては初めて、HD画質での撮影を実現した製品だ。とはいえ、AVCHD規格を採用したわけではなく、もちろん、HDV規格でもない。映像はMPEG-2、音声はMPEG-1 Layer2で圧縮を行い、MPEG-2 TSで多重化している。
ご存じのとおり、この製品の最大の特徴は、1920×1080/60iでの動画記録が可能なことである。FHD(おそらくフルHDの意だろう)と呼ばれるモードでは、この1920×1080iの映像を平均26.6Mbps(最大30Mbps)の可変ビットレートで記録可能だ。
さらに「1440CBR」という動画記録モードも用意されており、使い勝手の面でも“ビデオカメラに近づける”工夫がなされている。これはHDV規格と互換性を持たせたもので、1440×1080i解像度、27Mbpsの固定ビットレートで記録を行う。1440CBRモードで記録しておけば、HDVカメラと同様に、PCやほかのHDV機器とのi.Link接続(出力のみ)が可能というわけだ。また、DVへのダウンコンバート出力にも対応している。
これまでのEverioシリーズは、GZ-MC200/MC500では本体手前に小型液晶(1.8型)を配置し、モニターとファインダーの中間ともいえる使い勝手を提供する点が特徴的だった。また、それ以外のモデルに関しては、液晶モニターのみを装備しているが、この「GZ-HD7」ではワイド液晶モニター(2.8型・20.7万画素)に加えて、引き出し可能なファインダー(0.57型・26.9万画素)も搭載した。そのほかの部分でも“Everioらしい”部分はあまり見当たらず、全体にいかにも本格派のビデオカメラという様式だ。
サイズは幅91×高さ77×奥行き186ミリ、重量にいたっては約750グラム(撮影時)にも及ぶ。キヤノン「iVIS HV20」やソニー「HDR-HC7」など、最近のHDVカメラと比較するとかなり大きめなのだが、ソニーのハイビジョン対応HDDカメラ「HDR-SR1」も似たようなサイズ・重量だということを考えると、なんとなく許せてしまう。もちろん、そればかりではなく、撮影している際の安定性、各所での真面目な作り込みを実際に見ていくと、無理をせずに“Everio=コンパクト”を踏襲しなかった今回の選択は、十分に理に適った判断だと納得できる。
基本的な操作は、電源/モードスイッチで電源のオン/オフと動画/静止画モードの変更を行い、撮影ボタンは「録画」「静止画」で独立している。ズームレバーは小型で操作の感覚も軽いが、意外と可変速の制御もしやすい。ほかに本体左側にはオートボタン(AUTO/MANUAL切換)、逆行補正ボタン、本体手前には絞り優先AEボタン、シャッタースピード優先AEボタン、明るさ補正ボタン、および、調整用レバーが用意され、これらはファインダーのみを使用している状態でも操作可能だ。
また、手動でピントを合わせたい場合には、フォーカスリングを使えるうえ、フォーカスアシスト機能も併用できる。これを利用すれば、画面全体はモノクロ表示となり、ピントが合っている部分の輪郭線を青(赤・緑に変更可)で表示してくれる。
一方で、再生/撮影切換、インフォ、メニュー、ダイレクトバックアップ/イベントなどは、液晶モニターを閉じた状態では使えない。ファンクション、および、その操作を行う十字キー(プログラムAEも兼用)くらいは、“外”に出ていたほうがよかった気はする。
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