フラットパネルディスプレイの総合展示会「国際フラットパネルディスプレイ展」(Display 2007)が開幕した。年頭に行われた「2007 International CES」(CES)では製品化を目前に控えた薄型テレビの今年のトレンドが垣間見えたが、本展示会では次世代の傾向をうかがえる。
ソニーブースで一番の注目を浴びているのが、CESで同社が発表した大画面有機ELディスプレイ。
展示されていたのはCESで並べられていたのと同じ、27Vと11Vの2タイプ。スペックなども同じで、コントラスト比は100万対:1で、ピーク時輝度は600カンデラ/平方メートル。解像度は27Vが1920×1080ピクセル、11Vが1024×600ピクセル。
「まずはテレビ用表示装置としての実用化を目指す」というが、最大の課題は歩留まりだ。技術としては完成の域に近づいている言うだけに、どれだけの歩留まり向上=コストダウンをはかれるかが製品化の鍵を握ることになりそう。ただ、歩留まりの改善についてはCESの時点より見通しが明るくなっているようで、「(歩留まりを改善できれば)液晶と同コストを狙うことができる」との説明を聞くこともできた。
2015年には試験放送が開始される超高精細放送「スーパーハイビジョン」(解像度は7680×4320ピクセル、画素数で言えばフルHDの16倍にもなる)をにらんだ高精細化については、現在のところピッチ幅を狭くするよりも単純に画面サイズを大きくすることでの対応が現実的だという。ただ、現在はフルHD解像度での製品化と歩留まり向上を目指すのが優先で、超高精細化については取り組むかどうかは未定だという。
同じくCESで紹介されていたLEDバックライトを搭載した液晶テレビも展示されていた。北米市場では既に製品化されており「KDL-70XBR3」の名称で販売も行われているが、LEDバックライトの他製品への展開は現在のところ未定だ。
LEDバックライト(同社の名称は「トリルミナスLEDバックライト」)は従来のCCFL方式のバックライトに比べて色再現域が広く、RGB各色の色純度を飛躍的に高めることが可能だが、コストと消費電力に改善すべき課題が残っているという。ただ、同社では低コスト/低消費電力のLEDバックライトも開発を進めており、開発されれば液晶テレビへの全面展開も検討したいとしている。
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