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いつも持ち歩きたくなる小型軽量デジ一眼――オリンパス「E-410」(1/5 ページ)

» 2007年05月08日 13時47分 公開
[永山昌克,ITmedia]

 オリンパス「E-410」は、世界最小最軽量を実現したフォーサーズシステムのデジタル一眼レフ機だ。4月末の発売以来、売れ行きは好調らしい。一部に熱烈なファンがいる一方で、全体としてはシェアが低迷していたフォーサーズ陣営にとっては久々に明るいニュースである。

photo フォーサーズシステムの8作目オリンパス「E-410」

 そもそもフォーサーズシステムとは何なのか。簡単に説明しておくと、オリンパスが提唱するデジタル一眼レフ機のオープン規格のこと。銀塩時代のマウントをそのままデジタル一眼レフ機に利用している他社製品とは異なり、最初からデジタル専用に開発されたシステムで、ボディやレンズがデジタルに最適化されていることが特徴だ。

 これまでに発売されたフォーサーズのレンズは、オリンパスのほか松下電器産業やシグマのものを含めて約30本。他社の対応レンズに比べるとまだ選択肢は乏しいが、光学性能という点ではハズレが少ない。各種の収差や歪みがきちんと補正されていて、画像周辺部まできっちりと写るレンズが多い。写りや明るさにこだわりすぎて、やたら高価で大げさなレンズを揃えている嫌いもあるが、E-410に合せて小型軽量の標準ズームを新発売した。この新レンズにも注目したい。

photo 約375グラムのボディと約190グラムの標準ズーム

 ボディ側の特徴は、フォーサーズの名前の由来である4/3型の撮像素子を採用していること。他社の35ミリフルサイズやAPS-Cサイズの撮像素子よりもサイズが小さく、ボディを小型軽量に設計できるメリットがある。レンズとのマッチングが取れているので、レンズの光学性能をフルに引き出せることや、ユニットとして一体化した強力なダストリダクション機能を組み込める利点もある。

 フォーサーズの弱点は撮像素子が小さいので、それに対応してファインダー像も小さくなること。今回のE-410は、従来機に比べるとファインダー倍率が高くなったものの、ファインダーにこだわった一部の他社製品に比べるとまだ見えにくい印象は残る。今後、何らかの技術革新で改善してほしい部分である。ついでに言うと、フォーサーズ規格とは直接関係ないが、AF測距点が3つしかないのもE-410のもの足りない部分だ。

 E-410のいちばんの魅力は、ひと目見て分かるとおり圧倒的に小さくて軽いボディである。銀塩の一眼レフ機を彷彿させるグリップがほとんどない薄型の形状は、今の時代では逆に新鮮に感じる。筆者のような手の大きなユーザーには、右手でしっかりとボディをつかめないが、左手でレンズやボディの底を支えるように持つと安定する。

photo 左がE-410で、右は従来機の「E-500」
photo 全体に小型軽量なので薄いグリップでも問題ない
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