ソニーは、ハンディカムの新製品として3機種をリリースした(→発表記事)。最大100GバイトのHDDによる長時間記録や動画記録にメモリースティックを採用した「HDR-CX7」の登場など、見るべき部分の多い発表だ。同社デジタルイメージングマーケティング部パーソナルビデオMK課の山地明宏氏に詳しい話を聞いた。
山地氏によると、ここ数年のビデオカメラ市場は横ばい傾向にあるが、昨年は価格下落には歯止めがかかった感もあるという。理由はハイビジョン記録タイプの登場だ。
「ビデオカメラは年間140万台の市場があります。一時期は170万台あたりまで増加したのですが、2007年は昨年と同程度の140万台を見込んでいます(ソニー見込み)。販売単価はほかの製品と同様に下落傾向で、2003年には初めて平均単価で10万円を切りました。しかし、昨年は販売単価が少しではありますが上昇しています。各社がハイビジョンカムコーダーに本格参入した今年は、販売台数のキープと単価アップを期待しています」。
「市場全体が一気に上がるのは難しいでしょうが、昨年秋に発売したHDR-UX7は、出荷開始当時に販売台数全体の12〜13%を占めるほどの支持を受けました。ハイビジョンに対するニーズの高さを表すものといえます。そこで新製品では、ハイビジョン、小型化、長時間記録の3つをテーマにして、ユーザーニーズに合った製品を提供します」。
「小型化」に関しては製品を見ればすぐに理解できる。メモリースティックを記録メディアに採用した「HDR-CX7」は、ハイビジョン記録タイプのカムコーダーとして「業界最小・最軽量」(2007年5月時点)。AVCHD+メモリースティックという組み合わせがなかなか出てこなかったため、期待だけが先行していた感もあったが、DVDやHDDを使用したタイプと同等の動画撮影機能にくわえ、そのサイズは期待通りといえそうだ。「ハンディカムのユーザー層は“ママ”が多いのですが、HDR-CX7に関しては少し“尖った人たち”がメインになるのではないでしょうか」。
一方のHDDタイプは、小型もさることながら長時間記録を重視したモデルだ。「ハイビジョン映像は、どのように保存するかが課題です。ビデオカメラの用途といえば、子どもの運動会などイベントが中心で、日常的に使われるものにはなっていない。ニーズを読み切れていない部分はありますが、HDDの大容量化によってBlu-rayなどが一般化するまで“撮ったら、そのままおいておいて下さい”と言えるような状況になりました」。もちろん根本的な解決にはなっていないという指摘はあるだろうが、余裕のある容量はユーザーの気持ちにも余裕を与えるはずだ。
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