キヤノンといえばIXYにしろPowershotにしろ、カメラくさいコンサバなデザインのデジカメばかりという印象があるが、ときどき、ユニークで実験的な製品が出てくる。
「Powershot TX1」(以下、TX1)もまさにそんな製品。四角い縦型のビデオカメラを思わせるボディの高倍率ズームデジカメだ。初代IXY Digitalと同じ大きさで10倍ズームを実現しているのだが、確かにこのサイズで10倍ズームというのはすごい。
デジタルビデオカメラ的デザインで、縦型ビデオカメラっぽい持ち方になるので「動画デジカメ」と思われているが、キヤノンとしてはあくまでも「動画も録れるスチルカメラ」だという。メインは静止画。確かに、動画も録れるし動画専用ボタンも持っているし、ハイビジョンサイズ(720p)の動画も録れるが、動画のフォーマットはMotionJPEGであり、長時間録画には向かない。
これがまた使ってみると、腑に落ちない仕様はいくつかあるものに、今までのデジカメとはまた違った使い方ができる実に面白いカメラなのである。
写真で分かるように、初代IXY Digitalとほぼ同サイズでありながら、レンズはボディと平行に仕込まれており、持ち方も全然違う。右手で縦型に握り、液晶ディスプレイを横に出して撮る。直方体のXactiみたいな感じ。レンズは沈胴式で、スイッチを入れると1.2センチほど飛び出てくる。
腑に落ちないのは電源スイッチの位置。撮影するときの握り方ではまず指が届かない位置であり、電源を入れてから持ち帰るか、左手で電源を入れないといけない。これはちょっと不便。また、イマドキのカメラとしては珍しく、液晶モニターの開閉と電源が連動しない。液晶モニターを閉じてもスタンバイにもならない。
だから撮影しようと思ったら、電源ボタンを押して、液晶モニターを開いて、それから握る、というステップが必要になる。ちょっとコツがいるのだ。
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