撮影時の握り方にもコツがある。というか、握るときの指の位置を間違えるとうまくない。自然に握ろうとすると、指がレンズをふさごうとしちゃうのだ。
正解は人差し指はシャッターボタン、中指は鏡胴の下にくるように、人差し指と中指と親指のつけねでボディを包むような感じで握る。
はじめて触ったときは「なんて使いづらい非人間工学的なカメラだっ」と思ったが、慣れはおそろしいもので、ちょっと使うとそれらがほとんど苦にならなくなった。それなりに指の収まりはいいのである。
ひとつだけ苦言を呈したいのは、動画用シャッターの位置。動画用と静止画用の2つのシャッターボタンを持っていて、モードレスで好きな方を使えるのだが、動画用のボタンがズームレバーの下にあり、親指を無理に曲げないと押せない。これだけは慣れなかった。
このスタイルの長所は、上下のアングルが自由なこと。高い位置でも低い位置でも好きな高さ・角度で撮れる。昼間の屋外だとつい片手で撮ってしまう。片手ではブレやすいが、昼間なら光学式手ブレ補正が頑張ってくれるのでほとんど気にならない。
特にローアングル撮影に強いので、野良猫を撮るとき、子供を撮るときにいい。暗いときは左手を下から添え、両肘を身体にくっつけてブレないように撮る。
このスタイルの欠点は、縦位置撮影がしづらいこと。縦位置にすると右手を下に持っても、上に持っても撮りづらいのだ。
沈胴式だが起動は高速で、約1秒。不用意な持ち方をしていると飛び出るレンズに指が当たるが、鏡胴はかなり頑丈なのでさほど気にしなくてもOK。撮影時に鏡胴を中指が押し上げるような感じになるが、多少力が加わっても平気だとキヤノンの人は言っていた。細かいことは気にせず使えばよいらしい。
CCDは1/1.8インチの710万画素と主力モデルクラス。
レンズは35ミリ換算で39〜390ミリの10倍ズーム。39ミリスタートなので広角側は弱いが、その分だけ望遠に強い。明るさはF3.5(広角側)からF5.6(望遠側)。レンズ径が小さいのでしょうがないが、同社の「Powershot S5IS」(12倍ズームのちょっと大きくて重いデジカメ)がF2.7〜3.5なのを思うと、やや残念。
もちろん光学式手ブレ補正付。
最短撮影距離は、広角端で10センチ、望遠端で50センチ。望遠端で50センチというのはなかなかよい。さらにスーパーマクロにするとワイド端固定でレンズ前ギリギリ(0センチ)まで寄れる。
ISO感度は80から1600で、通常のISOオートと、より高い感度まで上がる高感度オートの2種類が用意されている。この辺の基本機能は2007年春モデルのIXYやPowershotと同じだ。
顔認識機能(フェイスキャッチテクノロジー)やISOブースター機能もある。
ISOブースターは設定した感度では手ブレの恐れがある場合、イージーダイレクトボタンが青く点灯し、それを押すと推奨するISO感度に一時的に上げてくれる機能。便利だが、TX1はイージーダイレクトボタンが上面にあるので、左手を使わないと押せないのは残念なところだ。
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