もう1つの目玉が「5-5フィルムモード」だ。映画フィルムはもともと毎秒24コマで撮影されているが、毎秒60コマのテレビ放送では独特の質感を失いやすい。このため、3コマ、2コマでリピートして毎秒60コマにする「3-2プルダウン」方式が主流になっているが、この場合も同じコマの表示時間が異なるため、「ややギクシャクした動きになりがちだ」(同社)。
H3300では、120コマ表示(倍速駆動)がちょうど24で割り切れる点に着目。フィルム素材の場合は1コマをすべて5回リピート(5-5)することで、1コマの表示時間をフィルムと同一にする。「理論的には映画館で見るフィルムと同じテイスト。制作者の意図を反映したフィルムと同じコマチェンジにより、映画の質感をリアルに再現する」としている。
ただし、毎秒24コマでは動きがぎこちないと感じる人もいるため、中間フレーム生成を用いて動きを滑らかにする「スムーズモード」も搭載した。これらの機能は、放送受信時と外部機器入力のどちらにも対応する。なお、HD DVDなどを接続する際にはHDMIの1080P/24Hz入力をサポート。ちなみに「アナウンスしていなかったが、既存モデルのC3000/H3000も対応していた」というオマケ付きだ。
液晶パネルも新しくなり、両モデルとも10bit対応になった(H3000でも52V型は10bitだった)。広色域バックライトと合わせ、色再現範囲は従来比112%、BT709比で114%。これにグラデーション部分の階調を滑らかにする「階調クリエーション」、14bitの映像処理回路、各セルの明滅時間を制御して階調表現を向上させる「魔方陣アルゴリズム・プロ」などを組み合わせたことで、最大1万6384階調(14bit相当)の表現力を実現したという。なお魔方陣アルゴリズム・プロは、120Hz化に伴い従来の16フレームごとの制御から8フレームごとの制御へと進化した。
「現在のデジタル放送やHDパッケージソフトは各色256階調(8bit)のため、青空や夕焼けなどグラデーション部分に等高線状の縞模様が見えることがあった。しかしH3300では新たに高域情報の多い部分(複雑な部分)はそのままに、グラデーション部分の階調を最大64倍にする」(同社)。
前述の通り、そのほかの機能は「H3000」シリーズと同じ。300Gバイトの内蔵HDDにストリーム記録が行えるほか、eSATAの外付けHDDを接続して録画番組をムーブ可能だ。EPGはラ・テ欄形式にも対応した「レグザ番組表・ファイン」。新のニュースをすぐに再生できる「新・今すぐニュース」やタイムシフト機能「新・ちょっとタイム」、ボタン1つで連ドラ予約が行える「簡単連ドラ予約」なども引き続き搭載している。
チューナーは、地上デジタル×2、アナログ×2、BSデジタル/CS110度×1。2つのHDMI端子にくわえ、D4を含む3つのビデオ入力端子を備えた。外形寸法と重量は、46V型が1132(幅)×352(奥行き)×763(高さ)ミリで38キログラム、52V型は1280(幅)×390(奥行き)×847(高さ)ミリ、49.1キログラム。
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