ユニデンの「TL19TX1」は、個性的なデザインとシンプルな機能が特徴の19V型ハイビジョン液晶テレビだ。機能を削って低コスト化を図っているのはスペックシートをみれば一目瞭然だが、実際に使ってみると“削るポイント”はよく考えられていることがわかる。またアナログテレビから違和感なく移行するための工夫もあった。
まずは個性的な外観から見ていこう。直線と曲面を組み合わせたボディはホワイトとブラックの2色があり、いずれも光沢仕上げだ。AV的な観点では“光沢=ノイズ”になりがちだが、それも製品の位置づけ次第。リビングルームの大画面テレビと違い、個室のインテリアに合わせて選択するパーソナルサイズでは、このくらい大胆なデザインも個人的にはアリだと思う。ちなみに付属のリモコンも同じデザインで統一されている。
ステレオスピーカーの間には、菱形の操作ボタンを並べ、全体で菱形を形作った。ここには方向キーや決定キーなどのボタンがあり、リモコンが手元になくても一通りの操作が行える。またチルト機構を備えていて、画面の向きを前後に調整できるのは嬉しいところ。パーソネルサイズテレビは、デスクトップからリビングまで、置くことのできる場所が幅広く、それだけに柔軟性が求められるからだ。また近距離で視聴していると、テレビに直接手を伸ばして操作したくなるケースも多いから、前面の操作ボタンは意外と便利だ。
パネル解像度は1440×810ピクセル。数字から分かるように、テレビ用ではなく、PCディスプレイ用の液晶パネルを採用しているが、製造時にパネル一枚一枚の微妙に異なる表示特性に合わせてガンマを補正しているという。
画質面は、少なくともハイビジョンのデジタル放送を見るぶんには不満を感じることはなかった。今回は、ブラウン管テレビやハイビジョン液晶プロジェクターと並べて視聴してみたが、見た目の解像感に不足は感じず、発色もヘンに強調される部分がなく自然だ。また画面が小さいぶん、放送波に乗ってきたノイズが目立たないのか、全体としてまとまりが良いと感じる場面も多い。相対的にS/N比が向上する感じだ。
なお、液晶画面のコントラスト比は1000:1で、映像の輪郭とノイズ成分を区別して輪郭だけを強調する「インテリジェントクラリティ」を搭載している。要するに頭のいいシャープネスだが、画質の傾向と考え合わせると相応の効果を発揮しているようだ。
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