日本ビクターは7月19日、「Everio」(エブリオ)シリーズの新製品として「GZ-HD3」を発表した。今年3月に発売した「GZ-HD7」の技術を継承した普及モデル。フルハイビジョンではないが、コンパクトなボディに60GバイトHDDを搭載し、ハイビジョン映像を約7時間録画できる。8月上旬に発売する予定で、価格はオープンプライス。店頭では15万円前後になる見込みだ。
撮像素子は、HD7と同じ16:9のプログレッシブスキャンCCDを使用した3CCDシステム。映像処理回路「Gigabridエンジン」も共通で、鮮やかなグリーンと自然な肌色を再現できるという。ただし、「手ブレ補正機能をGZ-HD7の光学式(OIS)から電子式(EIS)に変更した」(同社)ことで、撮像エリアが若干小さくなり記録解像度は1440×1080iとなっている。
電子式手ブレ補正の採用により、本体はコンパクトにできた。外形寸法は82(幅)×145(奥行き)×75(高さ)ミリ、重量はバッテリーを含め約660グラムで、体積はGZ-HD7比で約30%減となる。またビューファインダーやフォーカスリングが省略された一方、前面に暗い場所の撮影に便利な「LEDライト」を搭載。さらに、フォーカスが合焦している輪郭を赤や青などの色で表示する「フォーカスアシスト機能」、露出オーバーで白飛びの可能性がある部分にゼブラ模様を表示する機能など、撮影をサポートする機能を充実させている。
こうした新機能は、GZ-HD7のメインユーザーであった“趣味層”から、新たに女性層を含むより幅広いユーザーを開拓する目的に沿ったものだ。GZ-HD3の設計を担当した同社モバイルAV事業グループカムコーダー技術部の福島麻梨子氏は、「女性がバッグに入れて持ち運ぶことのできるコンパクトなハイビジョンカメラになった。カジュアルに使ってほしい」と話している。
レンズは、新たにコニカミノルタオプト製の光学10倍ズーム(F1.8)を採用した。焦点距離は、35mmフィルム換算で42.2〜422mm。記録にMPEG-2を使うのはHD7と共通だが、1920×1080iの「FHDモード」がなくなり、代わりに1440×1080iを平均26.6Mbps(最大30Mbps)で記録する「XPモード」が加わった。
このほか、平均22Mbpsの「SPモード」(1440×1080i、最大22Mbps)、HDV編集ソフトを利用している人などに便利な「1440CBRモード」(1440×1080i、約27Mbps固定)と合わせ、計3モード構成となっている。なお、1440CBRモードで撮影した場合は、本体のi.LINK端子をPCやHDV入力対応のDVDレコーダーと接続してHDV互換信号を出力可能。HDVからDVへのダウンコンバート機能も搭載した。
内蔵HDDへの記録時間は、XPモードで約5時間、SPモードは約7時間、1440CBRモードでは約5時間となる。さらにSDカードへの記録にも対応しており、4GバイトのSDHCカード(Class6推奨)を使った場合で約25分間の録画が可能となる(SDモードのみ対応)。
そのほかのインタフェースは、HDMI、コンポーネントなど。USB2.0でハイビジョン映像をDVDにバックアップできる同社製DVDライター「CU-VD40」との接続もサポートしている。作成したDVDメディアを一般的なDVDプレーヤーで視聴することはできないが、パソコンなしで手軽に高速ダビングできるメリットは大きいという。「HD7では、CU-VD40の同時購入率が約6割という異例の高さ。今後もセットとして訴求していきたい」。
付属のソフトウェアは、Windows用がサイバーリンクの「CyberLink BD Solution」。HDビデオの編集にくわえ、DVDやBlu-rayディスクへの書き込みが可能だ。またMacintoshでもハイビジョン編集を可能にするプラグイン「QuickTime Component for Everio」も同梱される。AIC(Apple Intermediate Codec)などQuickTime Playerで読み込み可能なフォーマットに変換することで、「iMovie HD」や「Final Cut Pro」を使って編集できるようになる。「Macが使えるハイビジョンディスクムービーはビクターだけ」(同社)。
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