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東芝の“勝負機”「RD-A600」を検証する(後編)(3/4 ページ)

» 2007年07月20日 11時14分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

大幅に改善されたレスポンスと描画速度

 既存のRDユーザーが価値を感じそうなのがレスポンスと描画速度の改善だろう。レスポンスに関しては言葉で表現するしかなさそうだが、とにかくリモコン操作に対する反応が改善されており、チャプター編集をリモコンで行うことがほとんど苦にならなくなった。

 たとえば、10〜20フレームをコマ送りで移動するような作業でもストレスを感じることが少なく、ちょっと慣れるだけで狙ったフレームを行き過ぎたり戻りすぎたりというケースはほとんどなくなる。あと10秒だけ先に進めようと再生しながら一時停止を行った場合にも、ほぼ狙った位置で一時停止が行えた。

 リモコン操作に関しては、先読み動作をカットしている点が功を奏していると思うが、なにより受け付けた操作に対して反応が遅れないことが大きい。先読み動作をカットしている点に関しては操作確認音を有効にしておけばカットされた操作も把握することができる。もちろん、PCでのビデオ編集作業などに比較すれば未熟な部分はまだまだ多いが、少なくとも「RDは多機能だけど操作レスポンスがね……」という見方は捨てていい。

 描画速度の向上も顕著だ。番組表で8チャンネル/4時間分の一覧性を最大にした場合でも、ページ切り替え速度は多くの人が不満を感じないレベルになっているし、「ネット de ナビ」やUSBキーボードを利用時の素早いメニュー選択などにも画面が追従してくれる。

 本機からサポートされたUSBキーボードだが、日本語入力ではローマ字かな入力でも取りこぼしを感じることはなかった。「ネット de ナビ」を利用する人はさほどメリットは感じないかもしれないが、本機のある部屋にPCは持ち込んでいない人や、ダビング前に番組のタイトル名などをこまめに変更するといった人には結構便利そうだ。また、慣れればリモコンよりもさまざまな操作を素早く行えるというメリットもある。

 番組表とUSBキーボード操作のスピードは、下の動画で確認していただきたい。

番組表のページ切り替えをクイックメニューの操作(USBキーボードを接続して8チャンネル/4時間表示)。レコーダーの描画速度、レスポンスとしてはかなり良好ではないだろうか(MPEG-1、1.2Mバイト)

こちらはUSBキーボードを接続しての日本語入力。キー操作に対してほぼリニアに反応してくれた(MPEG-1、1.5Mバイト)

ちょっと気になるDVDの書き込み品質

 従来からのRDユーザーなら、DVDメディアへの書き込み品質も少々気になる部分だろう。RDシリーズは4倍速世代と一部を除けば松下製DVDドライブを搭載しており、DVDメディアへの書き込み品質はそう悪くない。ただ、「RD-X4」や「RD-XS53/43」など、自社製の4倍速ドライブを搭載した製品の書き込み品質は正直褒められたモノではなかった。そして、本機のHD DVDドライブは東芝とサムスンの合弁企業である東芝サムスンストレージ・テクノロジー製のはずなので、要するに自社製ということになる。

 今回はDVD-Rに関しては8倍速書き込みのため、太陽誘電製の8倍速DVD-Rメディアに対してほぼメディア一杯にダビングを行い、いつものPCを用いた簡易計測環境で書き込み品質をチェックしてみた。時間の都合もあったので、検証したメディアが1種類にとどまった点はお許し頂きたい。

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 詳細な結果はキャプチャー画面を参考にしてほしいが、結果として書き込み品質は極めて優秀だ。外周に向けて若干PIEが増加傾向にあるが、それでもピークが43で、平均は6.39。TAも全く問題ない。Beta/Jitterに関してはJitterは内周部と最外周部でブレが少々あるが、Betaは安定しているし、完全に許容範囲内だ。いわゆる激安メディアについては保障の限りではないが、DVDメディアの書き込み品質に関しては基本的に安心して良さそうだ。

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