漫画やアニメの登場人物には、大抵キャラクター設定というものが存在する。設定は劇中の発言や行動に統一性を持たせ、ストーリーに奥行きを与える重要な要素だ。そして、タカラトミーの“世界最小の量産ヒューマノイド”「Omnibot17μ i-SOBOT」にもキャラクター設定が存在するらしい。
「i-SOBOT」のソフトウェアを担当した同社シーズ開発グループエキスパートの苑田文明氏によると、i-SOBOTは「生まれたばかりで、人間の世界に興味がある」という設定。しかし、それだけではない。「キャラクターとしては三枚目。コミュニケーションロボットですから、家庭にきた“相棒”みたいなもので、割とタメ口です」。
三枚目キャラのロボットといわれてもイメージしにくいが、確かにi-SOBOTの言動はどこかおかしい。なにかがズレている。とくに、音声付きで長いアクションを見せてくれる「スペシャルアクションモード」はツッコミ所が満載だ。
たとえば「巨大ロボ」を選択すると、ずしーん、ずしーんと重量感のある足音を(スピーカーで)たてながら重々しく歩き出す。そして、爆発音やら、昔懐かしいレーザー光線のような音まで聞こえてきた。全高165ミリメートルのくせに、音と態度は鉄人並みだ。
「i-SOBOTは“巨大ロボ”に憧れているんです」(苑田氏)。
なるほどー。
次に「盆踊り」をプレイ。すると、「東京音頭」っぽい曲に合わせてi-SOBOTが踊り出した。でも、音程も動きもナニか違う。似ているけど、やっぱり違う。これではJA○RACもお金をとれないだろう。
「i-SOBOTは人間の文化に興味を持っていますが、完全には理解できていないんです」(苑田氏)。
では、「西部劇」をチョイスしてみよう。大方の予想通り、i-SOBOTは銃撃戦の真似を始める。片手を伸ばして狙いを定め、ズキューン……おお。今回はなかなか様になっているようだ。
あ、撃たれた!?
銃声とともに崩れ落ちるi-SOBOT。
すると片手を顔の前に持ってきて一言。
「なんじゃ、こりゃあー」。
それ、西部劇じゃないし。
西部警察ですらないし。
「人間の文化を完全には理解できていないので、いろいろなものが混じってしまうんですね」(苑田氏)。
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