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ソニー、新12メガCMOS“Exmor”搭載のハイアマ向けデジ一眼「α700」

» 2007年09月06日 13時00分 公開
[ITmedia]

 ソニーは9月6日、デジタル一眼レフカメラ「α700」(DSLR-A700)を11月より販売開始すると発表した。価格はオープンで、ボディのみの実売想定価格は18万円前後の見込み。「DT 16-105mm F3.5-5.6」をセットした「α700 DT16-105レンズキット」、「Vario-SonnarT*DT16-80mm F3.5-4.5ZA」をセットした「α700 カールツァイスDT16-80レンズキット」も用意される。価格はいずれもオープンで、実売想定価格は前者が23万円前後、後者が27万円前後。

photo α700

 同社初のデジタル一眼レフ「α100」の上位にあたるハイアマチュア向けのミドルクラスモデル。撮像素子には新開発のAPS-Cサイズ 有効1224万画素“Exmor”(エクスモア)CMOSセンサーを搭載する。

 このCMOSセンサーはチップのカラムごとにA/D変換を行いデジタル信号出力することで、処理の高速化と低ノイズ化を実現。加えてA/D変換の前後でもノイズリダクション処理を行っており、画像処理エンジン「BIONZ」へより低ノイズのデジタル信号を送ることで、最高でISO6400の超高感度撮影(常用設定時は最高ISO3200)と低ノイズ撮影を両立している。なお、帯電防止コートとイメージセンサーシフト駆動によるダストリダクション機能も搭載されている。

 α100の特徴のひとつであったボディ内手ブレ補正機能も強化されている。ジャイロ出力フィルターの最適化や追従性能の向上を図ることで、α100ではシャッタースピードで約2〜3.5段だった補正効果は約2.5〜4段分と強化されている。

 AFは中央にクロスセンサーを2組配置した11点デュアルクロスAF。中央のクロスセンサーにはF2.8対応センサーも重ねて配置されている。センサーの補足対応速度も向上しており、ピント検出速度やレンズフォーカス制御速度もあわせて高速化されている。AEについても新開発のセンサーを搭載、シーケンス制御の改善もあわせて行うことでα100に比べて約1.7倍の速度を達成したという。

 “Exmor”CMOSや画像処理エンジン「BIONZ」の搭載をはじめ、強力なコアレスモーターの採用、連続撮影シークエンス制御の最適化によって最高で5コマ/秒の高速連写が可能となった(α100は最高約3コマ/秒)。メディアについても高速なコンパクトフラッシュはUDMA、メモリースティックはPRO-HGへの対応を新たに果たしたことで、RAW撮影時でも最大18枚の連写が行える(JPEG Large/Fineならばカードいっぱいまでの連写が可能)。メディアスロットはコンパクトフラッシュ/メモリースティックのデュアル構成だ。

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 背面液晶のサイズは3インチ。α100に比較して約4倍の高精細となる92.1万画素となっており、表面反射を高め屋外での視認性を高めるARコーティングが施されている。大型液晶を活用できるナビゲーションインタフェースが導入されており、3ステップ(Fnボタン押――カーソル移動――ダイヤル変更)でほとんどの設定が変更できる。好みの撮影セッティングをボディ上面のダイヤルに3つまで登録しておくことも可能だ。ファインダーの視野率は95%。

 ボディ外装部には軽量・高剛性のマグネシウム合金、シャーシには高硬度アルミを利用することで、ハイアマチュア機としては軽量な690グラム(ボディのみ)を実現している。メディアスロットや各種コネクター、操作ボタンにはシーリングが施され、防塵・防水性能も向上している。シャッター機構も新型で、約10万回の耐久性能を持つ。

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 本体にはHMDI(タイプCミニ)も備えており、BRAVIAなどハイビジョンテレビへの画像出力も行える。本体サイズは約141.7(幅)×104.8(高さ)×79.7(奥行き)ミリ。バッテリーパック「NP-FM500H」利用時で約650枚の撮影が可能だ(CIPA規格)。

 専用の別売オプションとして、縦位置グリップ「VG-C70AM」も用意される。縦位置でも横位置と変わらないホールディング感を実現するほか、シャッターのほか各種設定操作を行うボタンも用意されている。インフォリチウムバッテリーを2本内蔵でき、%単位でバッテリー残量を確認できる。カメラ本体と同じくマグネシウム合金製で、防塵・防滴シーリングも施されている。価格は3万6700円。

 あわせて交換レンズ「DT 16-105mm F3.5」「DT 18-250mm F3.5-6.3」「DT 55-200 F4-5.6」も発売される。価格は7万3500円/8万850円/4万2000円。高性能レンズ「Gレンズ」の新製品「70-300mm F4.5-5.6G SSM」の開発表明もなされた。70-300mm F4.5-5.6G SSMは超音波モーターによる高速AF駆動が可能で、最短撮影距離も1.2メートルと近接能力にも優れている。70-300mm F4.5-5.6G SSMは2008年春発売の予定で、これらを加えるとレンズバリエーションは25本となる。

 α700の主な仕様は以下の通り。

製品名 α700
対応レンズ ソニー製αレンズ(ミノルタ/コニカミノルタαレンズ動作確認済み)
撮像素子 APS-Cサイズ(23.5×15.6ミリ)、有効1210万画素“Exmor"CMOSセンサー、原色フィルター
ISO感度 100〜3200(6400まで拡張可能)、1/3段ステップ
記録画素数 4272×2848/3104×2064/2128×1424(3:2)、4272×2400/3104×1774/2128×1200(16:9)、4288×2856(RAW)
記録方式 JPEG、RAW、RAW+JPEG
画質モード スタンダード、ファイン、エクストラファイン、RAW、cRAW、RAW+JPEG(ファイン)、cRAW+JPEG(ファイン)
AF方式 TTL位相差検出方式
AFモード シングルAF、AF制御自動切替、コンティニュアスAF、ダイレクトマニュアルフォーカス
露出モード プログラムAE、絞り優先、シャッター速度優先、マニュアル
シーンセレクション ポートレート、風景、スポーツ、夕景、夜景/夜景ポートレート、マクロ
測光方式 TTL開放測光(多分割測光/中央重点平均測光/スポット測光)
シャッタースピード 1/8000〜30秒、バルブ
ホワイトバランス オート、プリセット(太陽光、日陰、曇天、白熱灯、蛍光灯、フラッシュ、いずれも微調整可能)
手ブレ補正機能 ボディ内蔵イメージセンサーシフト方式、シャッタースピード約2.5〜4.0相当
連写機能 JPEG(スタンダード/ファイン):制限なし、JPEG(エクストラファイン):16枚、RAW:18枚、cRAW:25枚
記録メディア メモリースティック デュオ/PRO デュオ/PRO-HG デュオ、コンパクトフラッシュ(TypeI/II、UDMA対応)/マイクロドライブ
電源 バッテリーパック「NP-FM500H」
撮影可能枚数 約650枚(NP-FM500H利用時、CIPA規格)
サイズ 約141.7(幅)×104.8(高さ)×79.7(奥行き)ミリ、約690グラム(本体のみ)

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