近年、市場でポータブルプレーヤーといえばiPod/ウォークマンが双璧であることは異論を挟まないところだ。ジーエフケーマーケティングサービスジャパンがPOSデータを元に集計しているデータを見ても、上位10機種のうち、それら以外は1機種しかランクインしていない(2007年10月第3週集計データ)。
ただ、iPodといえばiTunes、ウォークマンといえばSonicStageというライブラリソフトにひも付けされており、Windows OSに標準搭載されているWindows Media Player(WMP)を愛用するユーザーがiPod/ウォークマンを使う際にはライブラリを2つ管理する、あるいはマシンを切り替えるなどの手間がかかっていた。
東芝のgigabeat V/TシリーズはOSにWindows Media Center Edition(Windows MEC)のようなルック&フィールを持つWindows Mobile software for Portable Media Centers(Windows PMC)を搭載しており、WMPとの親和性は極めて高い。それに、Windows OSの操作に慣れたユーザーならばほぼ戸惑いなく操作できるのも特徴と言える。
gigabeatシリーズは現在、音楽再生機能だけを持つシンプルなUシリーズ、ワンセグ放送の視聴/録画までにも対応する多機能型のVシリーズ、カードボディに動画再生機能までを盛り込んだTシリーズと3シリーズが用意されているが、今回はシリーズ中唯一、無線LANというユニークな機能を盛り込んだ「T401」を取りあげる。
まずは外観からチェックしよう。
最近のポータブルプレーヤーとしてはスタンダードといえるスリムなカード型ボディで、サイズは85.6(高さ)×54(幅)×9.9(奥行き)ミリ、重さ約58グラム(バッテリー含む)。同じく2.4インチの液晶を搭載する“ワンセグウォークマン”ことソニーの「NW-A910」(86.8×48×12.3ミリ/約74グラム)より一回り小さい印象だ。ほぼ名刺入れ大といえるサイズで、胸ポケットに入れても違和感はない。
正面には2.4インチ/QVGAのカラー液晶と十字キー、4つの操作ボタンが用意される。4つのボタンは左上から時計回りにひと階層戻るバックボタン、決定を行うOKボタン、再生/停止ボタン、メニューを呼び出すスタートボタンだ。十字キーはカーソル移動のほか、再生時には上下が音量、左右が送り/戻しとして機能する。これ以外には底面の電源/ホールドスイッチのみであり、インタフェースはシンプルといえる。
なお、本製品のカラー設定はブラックのみとなっているが、十字キーや本体下面のフチは透明感のあるブルーとなっており、単色のボディにいいアクセントとなっている。無線LANを搭載しないT401についてはブラックのほか、ホワイトとレッドが用意されている(フチの色はホワイトがグレー、レッドがホワイト)。
本製品でもっともユニークなのが無線LAN機能の搭載だ。無線LAN機能を搭載したポータブル機器としてはiPod touchやPSPなどが存在し、それらにはWebブラウザやソフトシェアリングなどのアプリケーションが用意されている(→官能的なポータブルプレーヤー「iPod touch」――Wi-Fi接続編)。しかし、本製品ではポッドキャストのダウンロードのみに利用される。これはあくまでもスリムな音楽再生機器であるという本製品のキャラクターを反映した結果だろう。
機能が限定されているため、操作は非常に簡単だ。スタートボタンを押すと表れるメインメニューから「無線LAN設定」を選択した後にWEPキーなど無線LANの設定を行い、接続が確認できたらプリセットされているポッドキャストを選択するか、任意のRSSを入力するだけ。WEPキーやRSSの入力にはソフトウェアキーボードを用いるのだが、RSSのように入力する文字列が多くなると少々面倒。PC側で設定を行い、転送するようなツールも提供されれば快適だろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR