プリセットされているジャンルはバラエティ、アーティスト/音楽、お笑い、スポーツ、ニュース/ビジネス、テレビ/ラジオ/映画、語学、趣味/教育/講座、著名人/芸能人/タレント、アニメ/漫画/ゲームの10ジャンル。「バラエティ」のみPowerd by castellaの文字が見えるが、Podcasting Juiceのようなポッドキャストサイトからリスト提供を受けたものではなく、東芝が自社でセレクトしたようだ。
任意のポッドキャストを登録するとメインメニューの「無線deダウンロード」以下に番組の一覧が表示される。更新は番組ごとのほか、一括更新も行える。ただ、再生についてはこのダウンロード結果画面から行えず、「ミュージック」から番組名あるいはジャンル(無線deダウンロード)などから選ぶ必要がある。ダウンロードが完了したらすぐさま聞きたいという場合も多いはずで、これは少々不便。
なお、無線LANのON/OFFはメニューから行うようになっており、ON/OFFの状態は電源を切っても変更されず、ハードウェアとしてのスイッチも設けられていない。ON/OFFは常に画面左下に表示されているとはいえ、ONにしっぱなしで電池を消耗してしまうといった事態も想像できる。明示的にON/OFFを切り替えられるスイッチは欲しいところだ。
Windows PMCを搭載しているので、操作感は「gigabeat V401」(レビュー)など他のgigabeatとほぼ同等だ。無線LANを利用してのダウンロード中以外ならば「スタート」ボタンでメインメニューを呼び出せるので、迷ったら「スタート」と覚えておけばいい。
本製品が再生できるファイル形式は、楽曲ファイルがWMA/WMA 9 Lossless/MP3/WAV(PCM)、動画ファイルがWMV、静止画ファイルがJPEG。Windows DRM10に対応しているため、Napsterなどサブスクリプション型の音楽配信サービスも利用できる。
同社独自の圧縮音源補完技術「H2C」(High order Harmonics Compensation)を進化させた「新H2C」を装備。動作モードとしてProfessional/Dynamicの2つを用意している。ただ、この機能を有効にしない状態でも解像感の高い、伸びのあるサウンドを聴かせてくれるほか、いずれのモードも派手さはないものの、その効果は感じさせるという絶妙な味付けが施されているので、ON/OFFは好みの範疇だろう。強いて言うならば、ジャズや女性ソロボーカルなどの細かなニュアンスを楽しみたいときにはProfessionalをONにすることをお勧めしたいと思う。
ボタン入力に対する反応は機敏で利用時にストレスを感じることはないが、筆者の手にとって十字キーの位置はやや下すぎるようで、右手で本体を持ち親指でキー操作を行おうとすると少々不安定さを感じる。背面にもう少し滑りにくい加工が施すか、キー類がもう少し上に位置していたほうがいいのではと感じる。
もうひとつ気になるのが、表面処理。つやのあるブラックのピアノフィニッシュは確かに美しいのだが、指紋が付着しやすい。この表面処理方法を選択した以上は仕方ないのだが、頻繁に手で扱うデバイスだけに指紋の付着は気になる。フレームにマグネシウム合金を利用しているのだから、金属の質感をいかした梨地仕上げというのも良かったのではないだろうか。
Windows PMCを採用したポータブルプレーヤーとして完成度は高く、ライブラリーをWMPで構築しており、音楽リスニングをメインとするユーザーならば、スタンダードなプレーヤーとして勧められる製品だ。動画やワンセグといった映像視聴に重きを置くならばVシリーズ、より軽快に音楽だけをというならばUシリーズを選択すればいいだろう。
本製品ならではの特徴である無線LANだが、用途がポッドキャストのダウロードのみに特化してるため、ポッドキャストの視聴頻度がどれだけ高いかが本製品の価値を左右する。利用してみると分かるが、PCと接続することなくポッドキャストが更新できるのは思っているよりも便利だ。無線LANなしのT401Sと本製品の価格差は直販サイトで5000円なので、更新頻度の高いニュース・語学系のポッドキャストを愛聴しているならば、購入する価値はあるかと思う。
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