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H.264録画に対応した新「ブルーレイDIGA」を試す(後編)(3/4 ページ)

» 2007年11月20日 12時56分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 編集機能はチャプター編集と部分消去の2つ。部分消去はチャプターと関係なく、複数部分を一括指定して消去できる。さほど多機能ではないが、テレビ番組の録画が前提なら必要十分といえるだろう。

photophoto チャプター編集は、再生しながら決定キーでチャプターを追加し、チャプターのサムネイル一覧から削除などが可能だ。部分消去は複数部分を指定して一括削除できる。ちなみにBDへの高速ダビングが前提の場合でも、DVDビデオのようなGOP単位といった制限がないため(実際にはGOP単位でダビングされるが、フレーム単位で開始、終了位置も記録される)、編集もほぼフレーム単位で反映されると思っていい

 再生も含めてだが、編集時などに気になったのはH.264録画した番組ではスロー戻し、コマ戻しが利用できないこと。H.264の性格上、なんとなく理解はできるのだが、フレームレベルの編集を行う場合には結構気になる。編集前提ならDR録画してから編集、ダビング時にH.264への変換を行った方が良さそうだ

多機能すぎて複雑になったダビング機能

 ダビング機能は、BDとDVDの両方に対応し、既に触れたようにDVDメディアにもH.264エンコードでハイビジョン解像度でのダビングが可能だ。DVDメディアもDVD-R/R-DL/-RW/-RAMと幅広いメディアへのダビングに対応する。さらにi.LinkでのMPEG2-TS入出力に対応しており、ほかのハイビジョンレコーダーと接続して録画番組のムーブが可能だ。実際にイッツコムからレンタルしているHDD内蔵のケーブルテレビチューナー「TZ-DCH2000」からムーブしてみたが、全く問題はなかった。

photo これは「見るナビ」画面だが、チャンネルの部分に「TS」と評されている録画番組が確認できる。これがSTBからi.Link経由でムーブした番組で、もちろん問題なく再生やBDへのダビングも行えた

 ダビングはお馴染みの「おまかせダビング」と「詳細ダビング」に2つに大きく分かれる。「おまかせダビング」では、選択した番組の録画モードや時間、ダビング先のメディアに合わせて、ほぼ全自動でダビングが可能。さらにDVDメディアならファイナライズも自動で行ってくれる。

 BDメディアに関しては、MPEG2録画した番組が等速ダビングになる点を除けばこれといってダビング時に注意する点はない。ただしDVDメディアに対しては完全に“おまかせ”ではいかない部分もできてしまった。なぜなら、デジタル放送のダビングに限定しても「AVCREC」と「DVD-VR」の2通りのフォーマットが選択可能になっているからだ。さらにDVD-RWメディアに対しては「AVCREC」でのダビングができないなど、少々メーカーのエゴを感じる部分もある。

 未フォーマットのDVDメディアに対しておまかせダビングを行う場合、「AVCREC」(HD解像度)でダビングするか、「DVD-VR」(SD解像度)でダビングするかの選択が可能。ただし1番組でもMPEG2録画の番組が含まれる場合には「DVD-VR」が強制され、HD解像度で録画した番組もSD解像度でダウンコンバートしてのダビングになる。これは、「AVCREC」ではH.264以外でのダビングが許されていないから。ダビング済みのメディアへ追記する場合にもこの制限は適用されるので、「AVCREC」でダビングするつもりで「DVD-VR」でダビングしてしまった、という事故が発生する可能性も皆無ではない。ダビング10に対応後なら許容できるだろうが、コピーワンスの現状では、泣くに泣けない事態になる可能性が否定できない。

photo HDDからBD-REへの「おまかせダビング」の画面。筆者のミスでDVDメディアへのダビング時の画面を削除してしまったので補足しておくと、DVDメディアへのダビング時には「青」ボタンが標準画質(DVD-VR)、「赤」ボタンがハイビジョン画質(AVCREC)の選択肢として機能する

 「詳細ダビング」では明示的に高速、等速ダビングの指定ができるため、「おまかせダビング」のような不安はない。しかしやっかいなのは従来のDVDビデオへの高速ダビングと同様に、録画時の音声モードの制限が「AVCREC」にも存在していることだ。初期設定の中に「HG〜HEのディスク記録音声」という設定項目が存在し、ここが「オート」に設定されていないとダビング先がBDメディアでもDVDメディアでも等速ダビングになる。しかし再生互換性重視の場合には、「オート」ではなく「固定」に設定することが推奨されているのだ。

photo 「詳細ダビング」もDIGAユーザーにはお馴染みのレイアウト。こちらはダビング動作を明示的に指定できるので、「おまかせダビング」のような不安はない
photo 本機で新たに追加されたのが「HG〜HEのディスク記録音声」。「AVCREC」は現状では事実上パナソニックローカルといえるが、新たな規格なのだから、こんなつまらない制限はやめてほしかった……

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