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変わらない大切さ――「GR DIGITAL II」レビュー(1/6 ページ)

» 2007年11月27日 08時30分 公開
[小山安博,ITmedia]

 リコーから高級コンパクトデジタルカメラの2代目となる「GR DIGITAL II」が登場した。初代GR DIGITALから2年。今回登場したGR DIGITAL IIはどこが変わって、どこが変わらなかったのだろうか。

photo リコーの高級コンパクトデジカメの2代目「GR DIGITAL II」

あの高級コンパクトの2代目

 GR DIGITALといえば、コンパクトフィルムカメラ「GRシリーズ」のデジタル版として2005年に登場。35ミリ判換算で28ミリという広角単焦点レンズに高級感のある薄型コンパクトな筐体を採用し、高画質を追求した高級コンパクトデジカメとして新たな市場を開拓した。

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 特に広角単焦点レンズという割り切りは、撮影の楽しさ、醍醐味を実感できるという大きな特徴を引き出していた。また、ボディがコンパクトなため手軽に持ち歩いて撮影でき、マニュアルで本格的な撮影もこなせるという懐の深さも備えていた。

 こうしたGR DIGITALは写真好きには高い評価を得たものの、爆発的なヒットとはならなかった。デジタル一眼レフの低価格化と普及が急速に進み、結果的に低価格デジタル一眼レフ並みの価格になってしまったことや高級コンパクトデジカメの位置づけがあいまいになったこともその要因だろう。

 しかし、GR DIGITALにはほかにはない魅力が詰まっていた。高画質を追求したコンパクトデジカメは、(発売当時は特に)ほとんどなく、GR DIGITALが狙った方向性は決して間違っていないと筆者は信じる。

 そんなGR DIGITALの後継機種となるGR DIGITAL IIだが、ある意味GR DIGITAL自体が完成されたカメラだったからか、違いはさほどない。もともと、高級(=本格)コンパクトデジカメを目指しただけあって、遊びの機能はほとんどなく、フィルムカメラ的な撮影に特化している。その分、新機能の追加しづらいカメラではあるが、逆に従来の機能をブラッシュアップすることに注力した結果が新製品に結実している。

 GR DIGITAL IIは新開発の画像エンジン「GRエンジンII」を搭載。解像感・階調特性・彩度はそのままに、大幅な低ノイズ化を実現したという。撮像素子は1/1.75型有効約1001万画素CCDを採用。先代のGR DIGITALが1/1.8型813万画素だったから高画素化が図られた。同社「Caplio GX100」とスペック的には同じCCDのようだ。

 撮像素子に関しては順当なスペックアップだ。先代に比べてサイズはほとんど変わらずに高画素化されたため、ダイナミックレンジなどの性能は必然的に低下する。ここをいかにクリアするかが開発の大きな目標となるが、使ってみた印象では、GR DIGITALとの差は特に感じない。GR DIGITALと変わらない画質で解像度が増したと考えていいだろう。

 GRシリーズといえば肝はレンズ。レンズ自体はGR DIGITALと同じ35ミリ判換算28ミリ、F2.4の「GRレンズ」を搭載。このレンズ自体はすでにGR DIGITALで定評があったものなので安心感がある。個人的にかなり気に入ったのが動作音が小さくなった点。リコーのコンパクトデジカメといえば、AF時の「ジージー」という動作音が気になるのだが、無音とはいかないものの、はかなり小さくなっている。

photo 28ミリ・F2.4という広角で明るいレンズ

 レンズ自体の性能は変わらないのは少し残念な部分ではあるが、十分な画質が得られるという判断なのだろう。28ミリ・F2.4というスペックは使いやすく便利なレベル。もう少し広角でもいいような気もするが、このあたりは人によって意見は異なるだろう。

使い勝手を向上させるデザイン変更

 外観のデザインは先代とほとんど変わらない。正面から見るとボディ表面の仕上げもグリップのゴムもロゴも変わらない。外観上の違いといえば、正面から見てレンズ左上にあった外光パッシブAF用の窓がなくなった程度。

photophoto 電源オフ(左)とオン(右)。レンズ左上のAF用窓がなくなっている以外の変化はない

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