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れこめんどDVD:「トランスフォーマー」(HD DVD)DVDレビュー(2/3 ページ)

» 2007年12月28日 11時51分 公開
[飯塚克味,ITmedia]

HDクオリティを実感

 本作を再生する上でスクリーン再生は欠かせないと強くアピールしておきたい。筆者が最初に見たのはUIP映画の試写室だったのだが、天上が低い試写室では本作の魅力は完全に発揮されていなかった。映画館の大スクリーンこそが似つかわしい作品で、ホームシアターであってもそれなりのサイズが必要と感じられた。

 HD DVDは片面2層の2枚組。本編ディスクと特典ディスクに分けられている。圧縮方式はMPEG-4/AVCとなっている。画面サイズはシネスコサイズ。字幕は完全に画面内に定位。鮮明かつパワフルな映像はHDクオリティの質の高さを改めて実感させてくれる。時折、粒状性を感じさせるのは狙いだろう。DVDではボケがちなロボットたちの汚しもしっかり確認できた。

 音声はドルビーデジタルプラスの5.1chを英語と日本語で収録。日本語吹替えではアニメ版でオプティマス・プラム(コンボイ)の声を担当していた玄田哲章の名調子を聞くこともできるので、劇場で字幕版しか見ていない人は是非チェックしてもらいたい。

 ロスレス音声が未収録なのは次世代フォーマット対応アンプが続々と発売されているこの時期のAVマニアにとっては残念な話だが、ドルビーデジタルプラスの音声も決して悪くはない。爆発音や銃声、ロボット同士がぶつかり合う際の衝撃音は不満を覚える人がいるとは思えないほどエネルギッシュだ。

マイケル・ベイ嫌いも克服可能!?充実の特典も必見

 映像特典もすべてHDで収録。質の高いハイビジョン映像で製作の舞台裏を見られるのはうれしいことだ。138分ものボリュームで語られる製作過程は実にドラマチックで今までマイケル・ベイが嫌いだった人も、彼のことを気に入るのではないかと思われる。特典ディスクには隠しコマンドも充実。おもちゃCMやマイケル・ベイがスタントに挑んだ様子(本編からはカット)を楽しむことができる。決して難しいコマンドではないので、気軽に探してもらいたい。

 残念なのは本編ディスクに収録されたピクチャー・イン・ピクチャー機能。トリビアなどが充実して本編に合わせてメイキングも見ることができるのだが、日本語字幕がなく、英語が得意な人でないと理解しづらいのだ。今後はぜひともきちんとした仕様で国内版のリリースをメーカーには切望したい(インターネット機能も同様だ)。

 視聴は東芝のHD DVDプレーヤー「HD-XA2」からヤマハのAVアンプ「DSP-AX4600」をHDMIで経由し、映像は42インチのプラズマと液晶プロジェクターによる100インチのスクリーン再生で行った。実は今まで筆者のシステムはスクリーンサイズは80インチだったのだが、100インチにしたことで劇場レベルの感動を味わうことができた。

凝ったオープニング

 CH-1ではパラマウントとドリームワークスのロゴからしてオオッと思わせる。映像は普段通りだが、いつもの音楽ではなく敵役のディセプティコンたちの言葉を思わせる擬音で音が作られているのだ。この辺のオタク心をくすぐる遊びは数々のホラー映画のリメイクを製作してきたマイケル・ベイならお手の物だろう。

 続いては物語の核となる巨大なキューブが地球に飛来してくる様子が描かれる。巨大な浮遊物が頭上から飛んでくるのは「スター・ウォーズ/エピソード4」のあまりにも有名な、スターデストロイヤーが登場するオープニングを思わせる。

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