日立製作所が発売した“Wooo”「UT32-HV700」は、他社に先駆けて市場に投入された“超薄型テレビ”だ。製品の位置づけとしては、シングルデジタルチューナーで倍速駆動も非搭載のスタンダードなWXGAモデル。しかし実物を前にすると、そうしたスペックとは別のバリューを持つ製品だとすぐに理解できる。
既にインタビューを掲載しているが、UTシリーズでは「レイアウトフリー」をコンセプトにさまざまな技術が盛り込まれた。液晶パネルの薄型化はもちろん、ファンレスの放熱機構や薄型電源、ワイヤレスオプションなど。その一環として、UTシリーズはデジタル&アナログチューナーやiVポケット、各種インタフェースを集めた「Woooステーション」と薄型液晶モニターの2ピース構成になった。モニターとWoooステーションの間は1本のHDMIケーブルで接続するため、テレビの背面をシンプルにできる。
モニター部の背面は、吸気と放熱のためのスリットが上下にあるだけのシンプルなデザイン。インタフェース部に樹脂製カバーをはめ込むとほぼフラットになり、中央の「Wooo」ロゴだけが控えめに存在を主張する。これなら背面の見える場所――例えばフロアスタンドで室内に置いたり、広い部屋の間仕切りとしてテレビを利用する場合も違和感はない。むしろ、部屋を訪ねてきた人が気づいたときに驚く顔を期待してしまう。
モニター部のスタンドは、曲線だけで構成されたシンプルかつ優美なスタイル。透過性のある素材を使ったベゼルと合わせ、なにやら女性的な雰囲気を醸し出している。試用機がレッド(限定色)だったこともあると思うが、日立によるとデザインコンセプトは“高級化粧品の瓶”らしいので、あながち間違いではないだろう。
「UT32-HV700」には、試用機のレッドのほかにブラック、ホワイト、ブルーの計4色(レッドとブルーは限定色)がラインアップされていて、色によって味付けも少し異なる。半透明のベゼルは厚みに変化を持たせ、内側からメタリックシルバーのアクセントを入れている。ホワイトだけはベゼルがクリア(透明)で、付属する電源ケーブルも白になっている(→インタビューを参照)。
モニター部のインタフェースは、背面をスッキリさせ、かつ“壁ピタ”の壁掛け設置を実現するため、どちらも下を向いている。このためケーブル抜き差しなどの取り回しは正直良くないが、多くの場合は初期セッティングの際に一度接続すれば良いだけなのであまり気にする必要はないだろう。
そのぶん、別筐体のWoooステーションはケーブルの抜き差しも楽だ。一方のWoooステーションには、前面HDMI端子を含む3系統のHDMI入力があり、HDMI CECを利用した「Woooリンク」(後述)に対応する。このほかD4端子×1を含む2系統のアナログAV入力やデジカメ写真を閲覧するためのSDカードスロットなどが用意されている。
日立製品を含め、黎明期のプラズマテレビがセパレート式で始まったことを憶えている人も多いと思うが、画面が大きくなるほどチューナーを別筐体にするメリットは生きてくる。今回は32V型なので本体も楽々と動かせたが、例えば40〜50インチクラスになると男性でも一人では動かせない重さになり、配線もタイヘンだ。
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