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スタイリッシュな戦略モデル、ソニーの新BRAVIA「F1シリーズ」(1/2 ページ)

» 2008年02月25日 17時44分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 ソニーが3月25日に発売する新BRAVIA「F1シリーズ」は、スタイリッシュな薄型デザインが特徴の液晶テレビだ。位置付けは「スタンダードモデル」ながら、倍速駆動など上位モデルの高画質技術を搭載しており、ソニーがオリンピック需要期を前に投入する戦略モデルといえる。開発担当者のコメントを交えつつ詳細を見ていこう。

photophoto F1シリーズと別売の壁よせスタンド「SU-FL71M」の組み合わせ(右)。スタンドは視線の高さに合わせて3段階の高さ調節が可能。別売のキャビネット(SU-BX71M、2万7300円)を追加するとBDレコーダーなどを設置できる

 F1シリーズの厚さは、46V型の場合で7.4センチ。“超薄型”とは言えないまでも十分に薄く、別売のフロアスタンド「SU-FL71M」(4万9350円)と組み合わせると工事なしで“壁よせ”スタイルが実現する。「薄型テレビの購入を検討している人の多くが、当初は壁掛け設置を希望するものの、設置工事の煩わしさや壁の強度に対する不安が原因で諦めている。そうした人たちに対し、工事不要で壁掛け同様にぴったりと設置できる“壁よせスタイル”を提案したい」(同社)。

 フレーム部は、額縁をイメージした幅約2.7センチ(46V型)の狭額スタイル。ブラックとシルバーがあり、塗装に青色のフレーク状ガラスを混ぜた光沢塗装「サファイアブラック」は、見る角度によって表情を変える。また、押し出しアルミ材を使用した「シルバー」は、ヘアライン加工によって絵画や写真の展示に使われる額縁に近いシャープな印象を与える。設置する部屋のテイストに合わせて“素材感”から選択できる。

photophoto 見る角度によって表情を変える「サファイアブラック」(左)とアルミの素材感を生かした「シルバー」(右)。BRAVIAの「プレミアムフォト」機能で自作のデジカメ写真を表示しておけば、巨匠の作品と肩を並べる?

 F1シリーズのラインアップは32V型、40V型、46V型の3モデル。製品の位置付けは、昨年秋に登場した「Xシリーズ」「Wシリーズ」に次ぐスタンダードモデルであり、このためデジタル3波チューナーはシングル構成だ(デジタル3波とアナログチューナーを搭載)。

 液晶パネルは、40V型以上にフルハイビジョンの10bitパネルを採用(32V型のみ1366×768ピクセル)。いわゆる「ソニーパネル」ではなく、薄型化に適した他社製VA系パネルを採用している(メーカーは非公開)。スペックは、コントラスト比が3000:1、視野角が上下左右178度。

 また、画質を左右する「ブラビアエンジン」が“2”へ進化したほか、倍速駆動技術「モーションフロー」や映画素材の24P入力に対応する「24p True Cinema」など、上位機種の高画質技術を取り込んでいる点も特徴だ。ブラビアエンジン2(以下、BE2)は、DRCを搭載した「ブラビアエンジン Pro」に対して、スタンダードモデル向けの映像エンジンという位置付け。ハードウェアは従来の「ブラビアエンジン」と同じで、主にソフトウェアの改善によりノイズの検出精度および暗部階調などのコントラスト性能を向上させる。その効果は広範囲に及ぶが、例えば画面の暗い部分に生じがちなチリチリとしたランダムノイズが目立たなくなり、落ち着いた画面になるという。

 「一般的に映像回路は、キレイな映像を表示するために映像を“際だたせる”。しかし、この処理がもともと映像信号に入っていたノイズにも作用してしまい、ランダムノイズが目立つことになる。BE2では、映像処理の前にノイズを検出・取り除くことで精度を向上させた」(同社)。

photophoto 「ブラビアエンジン2」のデモ。従来機と比べると暗部階調が改善。ノイズも少なくなっている(左)。モーションフローのデモ(右)

 120Hz駆動と中間フレーム生成技術を組み合わせたモーションフローは、独自の「IBリダクション」付き。IBリダクションは、昨年夏モデルから採用された「撮像ぼやけを補正する」技術で、中間フレームを生成する前のオリジナルフレームに対してデジタル処理を行い、より鮮明な映像を作り出す。

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