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迫力よりも自然さ、2chにも強いマランツ「CINEMARIUM」特集:薄型テレビにあわせる一体型スピーカー(1/3 ページ)

» 2008年03月26日 15時42分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]

 マランツの「ES7001」は、“CINEMARIUM”(シネマリウム)という新たなシリーズ名を与えられた一体型サラウンドシステム。同シリーズにはAVラックとサブウーファーもラインアップされているが、メインユニットとしてはこれが唯一となっており、サイズ違いなどのバリエーションはない。

photo アルミ製キャビネットやシルバーフロントエンドパネル、左右のラウンドカバーなど、上質感溢れるデザインのマランツ「ES7001」

 そもそもマランツは、中上級クラスのピュアオーディオ/AV機器をメインに展開する老舗のオーディオメーカーである。たまにデザイン重視の一体型システムもラインアップしてくるが、基本的には音質重視のコンポーネントが中心。同社にとってこのようなサラウンドシステムはあくまでも傍流で、「マランツサウンドが手軽に楽しめるようになりました」という新ユーザー開拓の布石なのだろうと最初は思っていた。

 しかしその内容を見るに、隅々まで手抜かりのないところはさすがマランツと言うべきか。筐体には、こういった製品には珍しくアルミ製キャビネットを採用し、質感はもとより、音質的にも充分な配慮がなされている。そのフロントパネル下部にはシルバープレート、両サイドにはラウンドした光沢仕上げのカバーがあしらわれており、上質さをさりげなく主張。マランツらしいオーセンティックなデザインに仕上げられている。

 なお、CINEMARIUMシリーズ対応の別売サブウーファー「SW7001」も、汎用モデルではなく「ES7001」の専用品だ。シルバープレートをフロント下部にあしらった共通のデザインにより、設置時の統一感とスマートさを演出している。

photophoto 光沢感のあるラウンドしたサイドパネルによって上質感を演出する。見た目にも満足感の高い製品だ(左)フロントパネルに用意される操作系は電源と入力切替、ボリュームの3つ。入力フォーマットはドルビーデジタルは青、AAC/リニアPCMはグリーンと異なっているため一目で識別できる(右)

 内蔵されるスピーカーの構成は、19ミリツイーターと8センチミッドレンジ、サブウーファー用の12センチがそれぞれ2つずつ。この計6個のスピーカーに、デジタルアンプを1つずつ割り当てて、音質的な劣化を最小限に抑えている。なお単純にユニット数だけを見ると、ステレオ3ウェイシステムのようにも思えてしまうが、独自の立体音響再生技術「OPSODIS」(オプソーディス)を採用することで、サラウンドフィールドを作り上げている。

 オプソーディスの原理を説明すると、人間が音の方向を感知する左右の音量差、左右の到達時間の差、頭や耳たぶなどで生じる音の変化を独特のアルゴリズムによって作りだし、サラウンド空間を疑似体験させるというもの。このシステムによってドーム上のサラウンドフィールドが確立され、左右だけでなく上下にも音のスムーズな移動を感じ取ることができるという。

 入出力系の豊富さも嬉しいポイントだ。HDMI端子はVer1.1ながら入力2、出力1を装備している。くわえて光デジタルは3、アナログは2系統の入力を用意。マランツ製iPod用ユニバーサルドック「IS201」を使えば、iPodサウンドも手軽に楽しむことができる。出力は、サブウーファー用のほかにマランツのほかの機器と連動させることができるリモートコントロール端子も装備。純正組み合わせでの集中コントロールが行えるよう配慮されている。

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