今回のアンケートで意外だったのが、「顔(笑顔)認識」に対する支持が低かったこと。1年半前ほどからこの機能を搭載した製品が各社から本格的に登場し始めたが、当初は顔を認識してAF/AE/WBなどの調整を行うだけだった(ちなみに「世界初の顔認識AF」の搭載機は2005年2月発表のニコン「COOLPIX 7900」)。
だが、現在ではソニー「DSC-T300」、カシオ「EXILIM CARD EX-S10」などのように笑顔を認識して自動的にシャッターを切る製品までも登場している。検出精度も向上しており、使ってみるときれいに人物を撮影できるのだが、「人物撮影」に特化した機能のためか、さほど高い支持を得ることができなかったようだ。
まだ搭載した製品があまり多くない状況のため、今回の選択肢には含めなかったが、今後、注目されそうな機能が「シーン認識」と「ダイナミックレンジ拡張」だろう。
従来からコンパクトデジカメの撮影モードには「オート」が用意されており、カメラを向けた場面をカメラが自動的に判断し、最適なセッティングを施してくれていたが、「シーン認識」は顔認識をはじめとするシーン認識機能を高度化することで、より「フルオートできれいに」を追求しようと言うものだ。
パナソニックが「おまかせiA」、ソニーが「おまかせシーン認識」、カシオが「オートベストショット」などの名称でこの備えており、いずれも撮影シーンをカメラが自動判別してより失敗の少ない、きれいな写真をシャッターボタンひとつで撮影可能としている。ただ、「シャッターボタンひとつでキレイに」という目的自体は従来からの「オート」と変わらないことから、「オート」との差をどのように明確化するかは各社製品の課題といえそうだ。
もうひとつの「ダイナミックレンジ拡張」はまさにデジカメならではの機能といえる。手法はさまざまだが、ハイライト部を抑える/暗部を持ち上げるなどの処理を行うことで、ダイナミックレンジを広げ、輝度差の大きなシーンでの白トビ/黒ツブレを抑制する。ソニーが「Dレンジオプティマイザー」の名称でサイバーショットに投入しているほか、富士写真フイルムは「FinePix F100fd」でダイナミックレンジ従来比4倍をうたっており、「さまざまなシーンで目で見たままの撮影」を実現するとしている。
この機能を実装する製品はまだ少なく、市場へどれほど認知されるかは未知数だが、コンパクトデジカメの泣き所のひとつといわれていた「明暗差の表現」を解決する機能として各社が追従してくる可能性は十分にある。今後注目すべき機能といえるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR