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“Z”に2つの後継機、東芝「REGZA」がほぼフルモデルチェンジ画質設定はおまかせ(2/2 ページ)

» 2008年04月09日 10時00分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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昼も夜も画質は「おまかせ映像」におまかせ

 新製品の全シリーズに搭載され、今回の目玉ともいえる新機能が「おまかせ」モードだ。REGZAシリーズは従来から「テレビプロ」や「映画プロ」といった細かい映像モードを備えていたが、「おまかせ」機能では部屋の明るさやコンテンツの種類に応じて画質を自動調整する。同様の機能として、パイオニア「KURO」の「リビングモード」が挙げられるが、東芝の力の入れ方も並みではない。

 まず画質調整に利用する情報が多い。テレビ設置時に「地域」などの一般的な設定とともに、部屋の“照明の色”(蛍光灯色/電球色)を登録する。するとREGZAは、地域やカレンダーの情報から“日の出/日没時刻”を割り出し、日没の1時間前から日の出の1時間後までを“照明を使う時間帯”と捉える。照明を使用する時間帯には、それぞれの照明に合わせて画面の色温度やガンマを調整するという。

photophoto 「おまかせ」モードの概要(左)とデモ(右)。部屋が暗くなると画面輝度が下がり、そのほかの映像パラメータも自動的に調整される

 「色温度は1万2000ケルビンから6500ケルビンの間で変化する。例えば周囲がかなり暗く、照明が電球色の場合は6500ケルビンまで落とす。このとき、映像の各パラメータは“映画プロ”モードとほぼ同じ。もう、いちいち設定を変更しなくても最適な画質が手に入る」(東芝デジタルメディアエンジニアリングで新メタブレインプロを担当している住吉肇氏)。

 もちろん、本体前面に備えた明るさセンサーで実際の室内照度も把握しており、随時バックライトの明るさを調整する。また映像信号に対しては、1画素単位でリアルタイムにヒストグラム解析を行い、それぞれの輝度情報を取得して画質パラメータに反映。ビデオ素材/フィルム素材の違いも2-3プルダウン情報で区別して各パラメータを最適化する。

 ただし、ユーザーの好みで調節できる余地を残している点も同社らしい部分だ。従来通りの映像モード固定にすることはもちろん、おまかせモード時にも「明るさ調整」や上下5ステップずつの「色温度」「ダイナミックガンマ」「垂直輪郭」といった項目を調節できる。画面の明るさや輝度分布ヒストグラムを表示し、グラフィカルなインタフェフェースを参照しながらポイントごとに調整できるという。

photophoto 部屋に外光が入るかどうか、室内照明の色(蛍光灯色、電球色)といった設定を行う(左)。おまかせモード時にも各種ユーザー設定が可能(右)

 そのほか、各シリーズの特徴とスペックは以下の通り。

ZH500シリーズ

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 Z後継機として投入される2シリーズの中でも上位に位置づけられるのが「HZ500」。52V型と46V型の2モデルをラインアップしており、液晶パネルはどちらも倍速駆動&10bit広色域表示に対応したVA方式のものを採用した。もちろんフルHD解像度で、表面処理はハーフグレアだ。「画質と画面への映り込みの両方に配慮すると、落としどころはハーフグレアではないか」(同社)。

 また後述のZV500シリーズと異なるのは、サイズとパネル方式のほか、ネットワーク/USB録画のほかに300GバイトのHDDを内蔵していることと「ワンセグ録画」だ。ワンセグ録画を設定した録画番組は、micro SDカード(本体のスロットはSDカード対応のためアダプタが必要)にダビングして「レグザケータイ」などで持ち出せる。


製品型番 52ZH500 46ZH500
画面タイプ 52V型VA方式(120Hz駆動、フルHD) 46V型VA方式(120Hz駆動、フルHD)
10bit駆動
広色域バックライト
画像処理システム パワー メタブレイン
おまかせモード
ドルビーボリューム
録画機能 300Gバイト内蔵HDD、ネットワーク録画、USB外付けHDD、ワンセグ録画
チューナー BS/110度デジタル×2、地上デジタル×2、地上アナログ×1
ブロードバンド関連 ひかりTV/アクトビラ ビデオ・フル/Webブラウザ
入出力端子 HDMI×4、ビデオ入力×4(うち2つにD4端子)、USB×2、光デジタル音声、LANなど
外形寸法 125.7(幅)×36.8(奥行き)×84.2(高さ)センチ 111.3(幅)×31.3(奥行き)×75.2(高さ)センチ
重量(スタンド含む) 43.5キログラム 32.7キログラム
実売想定価格(※) 60万円前後 50万円前後
発売日 5月上旬
※:価格はオープンプライス

ZV500シリーズ

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 42V型/37V型というボリュームゾーンに投入されるZ後継機が「ZV500」シリーズ。どちらも倍速駆動&10bit広色域表示に対応したIPS方式のフルHDパネルを採用している。表面処理はZH500と同じハーフグレア。「IPSパネルでハーフグレアを採用したのは業界初ではないか」(同社)。

 内蔵HDDは搭載せず、ネットワーク/USB録画をサポート。手頃なサイズとIPSパネルの採用もあり、画質と機能にこだわるユーザー層の受けも良さそうだ。また音量を自動調節してくれる「ドルビーボリューム」や、「ひかりTV/アクトビラ ビデオ・フル」対応も“Z後継”モデルだけの特徴。内蔵のH.264デコーダーにより、テレビとブロードバンド環境さえあればハイビジョン画質のIPTVを楽しめる。


製品型番 42ZV500 37ZV500
画面タイプ 42V型IPS方式(120Hz駆動、フルHD) 37V型IPS方式(120Hz駆動、フルHD)
10bit駆動
広色域バックライト
画像処理システム パワー メタブレイン
おまかせモード
ドルビーボリューム
録画機能 300Gバイト内蔵HDD、ネットワーク録画、USB外付けHDD
チューナー BS/110度デジタル×2、地上デジタル×2、地上アナログ×1
ブロードバンド関連 ひかりTV/アクトビラ ビデオ・フル/Webブラウザ
入出力端子 HDMI×4、ビデオ入力×4(うち2つにD4端子)、USB×2、光デジタル音声、LANなど
外形寸法 100.9(幅)×31.3(奥行き)×69.8(高さ)センチ 90.2(幅)×25.8(奥行き)×63.5(高さ)センチ
重量(スタンド含む) 未定
実売想定価格(※) 40万円前後 35万円前後
発売日 6月中旬
※:価格はオープンプライス

RH500シリーズ

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 「Hシリーズ」の後継と位置づけられた「RH500」は、内蔵HDDとeSATA接続の外部HDDへの録画をサポート。今回からeSATA接続の外部HDDにも直接録画が可能になった点が大きなアップデートだ。内蔵HDDは従来の3.5インチHDDから同社製の2.5インチHDDに変更されたが、従来通りユーザーの手による交換も行える。

 42V型と37V型はフルハイビジョンのIPSパネルで、32V型はWXGAのVA方式。また42V型だけは倍速駆動&10bit駆動に対応し、映像エンジンも上位モデルと同じ「パワー メタブレイン」を搭載するなど少々特別な位置づけだ。HDMIがx.v.ColorやDeep Colorをサポートしているのも42V型のみ。


製品型番 42RH500 37RH500 32RH500
画面タイプ 42V型IPS方式(120Hz駆動、フルHD) 37V型IPS方式(フルHD) 32V型VA方式(WXGA)
10bit駆動 なし
広色域バックライト なし
画像処理システム パワー メタブレイン 新メタブレイン・プロ
おまかせモード
ドルビーボリューム なし
録画機能 300Gバイト内蔵HDD、外付けeSATA HDD
チューナー BS/110度デジタル×2、地上デジタル×2、地上アナログ×2
ブロードバンド関連 なし
入出力端子 HDMI×3、ビデオ入力×3(うち1つにD4端子)、光デジタル音声、LANなど
外形寸法 100.9(幅)×30.8(奥行き)×69.4(高さ)センチ 90.2(幅)×25.8(奥行き)×63.5(高さ)センチ 78.6(幅)×25.8(奥行き)×57(高さ)センチ
重量(スタンド含む) 未定
実売想定価格(※) 40万円前後 30万円前後 23万円前後
発売日 7月上旬 6月上旬 6月上旬
※:価格はオープンプライス

CV500シリーズ

photo 「CV500」シリーズ

 「Cシリーズ」後継のシンプルモデルにあたるのが「CV500」シリーズ。42V型と37V型はIPS方式のフルハイビジョンパネルを搭載している。映像エンジンは新メタブレイン・プロだ。HDMI端子は3系統を備えている。


製品型番 42CV500 37CV500 32CV500
画面タイプ 42V型IPS方式(フルHD) 37V型IPS方式(フルHD) 32V型VA方式(WXGA)
10bit駆動 なし
広色域バックライト なし
画像処理システム 新メタブレイン・プロ
おまかせモード
ドルビーボリューム なし
録画機能 なし
チューナー BS/110度デジタル×1、地上デジタル×1、地上アナログ×1
ブロードバンド関連 なし
入出力端子 HDMI×3、ビデオ入力×3(うち1つにD4端子)、光デジタル音声、LANなど
外形寸法 100.9(幅)×30.8(奥行き)×69.4(高さ)センチ 90.2(幅)×25.8(奥行き)×63.5(高さ)センチ 78.6(幅)×25.8(奥行き)×57(高さ)センチ
重量(スタンド含む) 未定 20.4キロ 16.1キロ
実売想定価格(※) 25万円前後 23万円前後 16万円前後
発売日 7月上旬 5月中旬 4月下旬
※:価格はオープンプライス

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