日立製作所は4月14日、薄型テレビ「Wooo」の新製品を発表した。全モデルにiVDR対応の「iVポケット」を搭載。新パネルを採用したプラズマテレビ「02シリーズ」、内蔵HDDなどで強化した超薄型液晶テレビ「UTシリーズ」、スタンダード液晶テレビ「02シリーズ」の3シリーズ9機種をラインアップする。プラズマテレビは4月下旬、液晶テレビは6月上旬に発売予定だ。
プラズマ「Wooo」には、構造から見直した2種類の新パネルが採用された。
同社のALISパネルは、縦方向がオープン型(写真参照)のリブ構造で開口部が広く、高い輝度を得られる一方、光が余分に広がって“黒を沈めにくい”という弱点が指摘されていた。そこで新パネルでは、隔壁構造をクローズド型にした「ボックス・リブ」構造を採用。さらに新開発のリセット技術で背景輝度を低減するなどして、引き締まった黒を表現する。
コントラスト比は、プログレッシブ方式を採用した50V型フルHDの「P50-XR02」で3万:1。インタレース方式の「P50-HR02」「P42-HR02」でも従来機種の1万:1から1万5000:1へと大幅に向上した。
ボックス・リブ構造になると画素の上下もリブに囲まれるため、ALISパネルのメリットであった輝度は下がる。しかし同社は、独自の「ハイブリッド駆動」でこれをカバー。インタレースの“光っていないフィールド”を映像に応じて光らせるという手法で、従来のALISパネルに匹敵するピーク輝度1400〜1600カンデラを確保した。「ALISパネルのコンセプトとは違うかもしれないが、ALISの特徴だった画面の明るさはそのままに、トータルの画質を大幅に向上させた。ALISパネルの発展型と捉えてほしい」(同社)。
新パネルに合わせてフィルター特性も見直し、HDTV規格(デジタルハイビジョン規格)比で約125%という色域をカバーした。さらにリブ自体に外光を吸収する性質を持たせ、外光をに対するパネル反射率を30%低減。フィルター部のAR(アンチリフレクション)コートなどと合わせ、プラズマの弱点とされる“映り込み”を抑えた。
1080p/24p信号入力をサポートした50V型フルHDモデル「P50-XR02」は、新しい映画モード「シネマスキャン」を設けた。24p信号入力時にちょうど4倍速となる毎秒96コマ表示(96Hz駆動)にして、各コマの間に同じ画像を3枚ずつ追加する(計4枚)というもの。映画本来の均等なコマ間隔を忠実に再現して“フィルム感”を楽しめるという。
また、120Hz駆動と中間フレーム生成によってフィルム素材をなめらかに表示する「なめらかシネマ」も従来モデルから継承しており、ユーザーは好みで選択できる。
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