ビデオカメラ市場を支えてるのは「運動会需要」――つまりは「子供の成長記録需要」とはよくいわれること。でも、デジカメ並に気軽に持ち出せて、日常のちょっとした「ビデオクリップ」を撮って楽しもうというニーズもあるんじゃないかという考えは根強くあって、そこにデジカメ側からアプローチしたのが三洋電機の「Xacti」シリーズといっていい。
逆にビデオカメラ側からのアプローチで誕生したのが、ソニーのハンディカム「HDR-TG1」(以下、TG1)である。そういって間違いないかと思う。
そういえばこの手の製品(ビデオクリップをターゲットにしたデジタルムービーカメラ)で一番古いのは、日立の「MP-EG1」(1997年2月発売)かと思う。PCカード型のHDDにMPEG-1で動画を記録するカメラだ。あの頃は時期尚早だったが、今は時代が違う。
TG1の特徴はフルHDでありながら、薄型軽量を実現したということ。フルHD録画可能な小型軽量カメラは三洋電機の「DMX-HD1000」(以下、HD1000)と比べてもTG1は薄くて小さい。
このボディは厚さが32ミリで、重さはバッテリー込みで約300グラム。外装はチタンでハードコーティングがなされており、ビデオカメラっぽくない。
レンズは光学10倍ズームで手ブレ補正は電子式。静止画撮影時(16:9時)は35ミリ換算で41〜410ミリ相当なのだが、動画撮影時は43〜507ミリ相当とちょっと画角が狭くなる。
一般的なビデオカメラのレンズと画角は変わらないが、日常の中でビデオスナップを撮るというのならもうちょっと広角側に振って欲しかったか。
で、このレンズ径を実現できたのは撮像素子が小さいから。
同じくフルHDでメモリースティックに映像を記録する「HDR-CX7」(以下、CX7)が1/2.9インチサイズなのに対し、TG1は1/5インチと小さなCMOSセンサーを採用している。だが総画素数も235万画素とおさえられており、静止画撮影時のノイズや解像感はやや劣るが、ビデオスナップ用としては問題ないだろう。
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