FinePix S100FSの製品としての位置付けは、レンズ一体型FinePixのフラッグシップで、2006年に発売した「FinePix S9100」の後継機となる。そのFinePix S9100は、そもそも2005年夏発売の「FinePix S9000」のマイナーチェンジ機なので、実質的には約2年半ぶりのフルモデルチェンジである。
CCDの高画素化のほか、ズームの倍率アップや光学手ブレ補正機構の搭載、液晶の大画面化、レスポンスの向上、操作性の改善など全方向的な進化を遂げている。ボディは一回り大きくなり、使用時重量はFinePix S9100から200グラム以上重くなり、約968グラムとなった。
電源を入れると約2秒で起動し、液晶モニターが点灯する。液晶は上下可動式の2.5型TFTで、ボタンのワンタッチで0.2型の電子ビューファインダー表示に切り替えられる。レンズは、広角側28ミリ相当、望遠側400ミリ相当の光学14.3倍ズームで、鏡胴部のリング操作で素早くズーミングができる。
撮影モードはフルオートからフルマニュアルまでを完備し、グリップ部のコマンドダイヤルで絞りやシャッター速度の調整ができる。AFはコントラスト検出方式で、測距点の自由な移動やコンティニュアスAF、AF補助光にも対応。AFスピードは、ズームの望遠側では遅くなるが、広角側ではてきぱきと作動する。フル画素で秒間3コマの連写や、300万画素相当で秒間7コマの高速連写、VGAサイズの動画モードも利用可能だ。
そのほか、14種類のシーンモードや最短1センチのスーパーマクロモード、ピントや明るさを顔に最適化する「顔キレイナビ」、ホワイトバランスの微調整、フル画素で最高ISO3200の高感度モード、画素混合によるISO6400(600万画素相当)とISO10000(300万画素相当)の超高感度モード、設定の組み合わせを記憶するカスタムモード、外部ストロボ撮影など機能を満載する。
画質についてより大きな撮像素子を搭載したデジタル一眼レフより見劣りするのは仕方ないが、レンズ一体型デジカメとしては、解像感や階調再現性が良好な部類。撮像素子のゴミを心配しなくていいことや、レンズ交換なしで幅広い焦点域に対応すること、動画撮影ができること、快適なライブビュー撮影ができることなど、デジタル一眼を上回るメリットもある。これらのメリットをどれだけ重視するかが、本機を選ぶかどうかの分かれ目になる。
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