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広角28ミリからのタフネスデジカメ――オリンパス「μ1030SW」レビュー(3/4 ページ)

» 2008年05月20日 08時30分 公開
[小山安博,ITmedia]

 撮影補助機能としては、「比較ウィンドウ」が特徴的。画面を4分割してさまざまな効果を一覧し、最適な設定を明示的に選択できる機能。モードダイヤルを「GUIDE」に合わせ、一番上にある「撮影効果を比較して設定する」に合わせると、ズーム/露出/色合い(ホワイトバランス)/測光/動画の滑らかさの5種類から選択できる。

photophoto ガイド機能。カメラ操作に慣れていれば不要だが、初心者には便利だろう。ガイド機能から比較ウィンドウを起動すると、比較しながら設定が選択できる

 デジカメの場合はこうした設定変更はリアルタイムに画面で確認できるが、一覧表示されるため、初心者でも変化の仕方がつかみやすく分かりやすいのがメリット。

photophoto 十字キーの上に割り当てられた露出補正でも比較ウィンドウが立ち上がって設定できる(左)、シーンモード選択画面ではモードごとの分かりやすい説明も表示してくれる

 GUIDEにはほかにも、「被写体を明るく撮影したい」「逆光で撮影したい」「手前から遠くまでピントを合わせたい」といったシチュエーションから最適な撮影設定ができるようになっている。撮影設定変更中にDISPボタンを押すとヘルプが表示されたり、逆光と赤目を1アクションで補正してくれる機能を搭載するなど、初心者が使いやすいような機能も搭載している。

 通常の撮影では、モードダイヤルからプログラムオート/ブレ軽減のいずれかを利用するといい。AUTOではホワイトバランスやISO感度、連写などの設定ができないため、通常は自由度の高いプログラムオートの方がいいと思う。プログラムオートとブレ軽減の違いは、主にISO感度。ブレ軽減の方はISO感度がオートになり、ISO1600まで増感する。プログラムオートのISOオートではISO400が上限のようで、より高速シャッターが切れるようになる。

 光学式の手ブレ補正機能は搭載されていないので、高感度撮影で手ブレ/被写体ブレを防ぐ仕組みだ。普段はプログラムオートで、手ブレ/被写体ブレしそうになったらISO感度を設定するよりもダイヤルを回してブレ軽減モードに切り替える方が早い。

普通のデジカメとして使えるタフカメラ

 撮影設定の変更は、十字キー中央のOKボタンを押すと画面右側に縦にファンクションメニューが表示され、よく使う撮影設定を素早く変更できる。ホワイトバランス/ISO感度/測光/画像サイズなどが変更できる。それ以外の設定はMENUボタンから行う。撮影設定自体はそれほど多くはない。

photophoto ファンクションメニュー。インタフェースとしてはキヤノン製品と似ている。右はメニュー画面。画質変更のアイコンが別に用意されているが、必要性に関してはちょっと疑問

 十字キーには露出補正/フラッシュ/セルフタイマー/マクロがそれぞれ割り当てられ、その周囲にMENU/再生/顔検出/DISPボタンが配置されている。奇をてらったインタフェースではないので、すぐに慣れそうだ。

photophoto サムネイル表示とカレンダー表示。サムネイルはカーソルのある画像がちょっと大きくなる。この辺りもキヤノン製品と同じ

 再生モードでは最高25コマのサムネイル表示やカレンダー表示が可能。スライドショー再生やリサイズ・トリミング・カラー編集などの補正機能、フレームやタイトル、カレンダーとの合成といった編集機能が利用できる。また、ポケット写真として画像を内蔵メモリに最大9枚まで保存、いつでも呼び出せるほか、起動画面やメニュー画面の背景として設定できる。

 μ1030SWは、ほかに類を見ないタフさを実現しながら、“普通”のコンパクトデジカメとして利用できる点が特徴だ。コンパクトさも犠牲にせず、28ミリからという広角レンズも搭載して使い勝手もいい。海に潜るという特殊な状況だけでなく、雨の中の撮影や、水遊びをする子どもを撮るという普段出会うようなシーンでもカメラの心配がいらない。文字通りいつでもどこでも持ち歩いて撮影できるカメラだ。

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