ITmedia NEWS >

広角28ミリからのタフネスデジカメ――オリンパス「μ1030SW」レビュー(2/4 ページ)

» 2008年05月20日 08時30分 公開
[小山安博,ITmedia]

地上でも水中でも役立つ広角レンズ

 こうしたタフネスさ加えて、μ1030SWでは28ミリスタート(35ミリ換算)の広角レンズを搭載した。屈曲光学系では世界で初めてという28〜102ミリの焦点距離をカバーする光学3.5倍ズームを採用。従来の38ミリスタートのレンズと比べて一度に広い範囲を撮影できるようになり、撮影の幅が広がった。

 この広角レンズは風景写真でも効果的だが、水中でも大きな威力を発揮する。水中では屈折率の違いから地上に比べて画角が変化してしまい、同じレンズでも撮れる範囲が狭まってしまう。焦点距離はだいたい地上比で1.33倍になると言われており、従来の38ミリのレンズであれば約50ミリになってしまう。

 これに対してμ1030SWであれば約37ミリ。例えば魚の群れや海の底から見上げた時などで、より迫力のある写真が撮れるようになるというわけだ。

photophoto 水中ムービーモード。独特のホワイトバランスが用意されている(左)、LEDライトはなかなか便利(右)

 水中写真といえば、従来から同社の強い分野。μ1030SWでも、シーンモードに水中スナップ/水中ワイド1/水中ワイド2/水中マクロという4つのシーンモードを搭載。さらにムービーにも水中ムービーモードがあり、3つの水中用ホワイトバランス設定がある力の入れようだ。

 広角化に伴い、望遠側が少し犠牲になっており、ズーム倍率が3倍から3.6倍になって健闘はしているもののμ795SWの114ミリに対して102ミリ。F値はF3.5〜F5.1。マクロ性能は強化されており、広角端で0.1メートル〜、望遠端で0.3メートル〜。スーパーマクロもズーム位置は固定されるが0.02〜0.5メートルとなり、さらに近寄れるようになっている。

 マクロで特に有効なのがLEDを使ったワンタッチライト。フラッシュの横にあり、背面のボタン長押しでLEDライトが点灯してくれる。何も操作しなければ30秒間、ボタン操作をすれば最大90秒まで点灯し続けてくれるので、マクロ撮影時に便利そう。

 液晶も2.5型23万画素のハイパークリスタル液晶から2.7型23万画素のハイパークリスタルII液晶に強化。明るいところでもより見やすくなり、大型化で撮影時も再生時もより快適なった。

photophoto 本体背面。背面だけ見ると、3型ぐらいは搭載できそう。ボタン類は全体的に小さめで、ダイビングやスキーでグローブを付けての操作はちょっと難しいかもしれない。ただシャッターボタンは大きくしっかりとした感触なので、こちらはグローブしたままでも押しやすそうだ

シンプル手軽な撮影機能

photo 顔検出パーフェクトショットは1ボタンで切り替え可能

 撮像素子は1/2.33型有効1010万画素CCDで、映像処理エンジンは「TruePic III」。従来通り顔検出AF機能を搭載して同時に3人までの人物の顔を検出できる。他社の同機能に比べると認識できる人数が少ないが、たいていのシーンでは問題ないだろう。ただ、他社と比べると顔検出自体がやや不安定な印象も受けた。

 顔と背景の露出を適正にコントロールする「フェイス&バックコントロール」も搭載。専用ボタンも用意されており、オン/オフが手軽に切り替えられるのは便利。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.