コピーワンスもなんのその
ウォークマン用録画クレードル「VRC-NW10」を試す
ウォークマン用のビデオレコーディングクレードル「VRC-NW10」を試用してみた。直販価格で1万9800円と周辺機器としては高価な部類に入るが、使い方によっては値段相当、またはそれ以上の価値を持つとも言える製品だ。
VRC-NW10はアナログ入力端子を備え、PCレスでレコーダーやビデオカメラの映像を対応ウォークマンの内蔵メモリへ直接録画できる。今回試用した「NW-A820」を含む、ビデオ再生に対応したウォークマンならばほぼ利用できる(対応製品一覧)。クレードルというと安っぽい製品も存在するが、さすがに2万円近くすることもあり、つや消しブラックの外観はなかなかの高級感を感じさせる。
インタフェースは非常にシンプルで、録画開始/停止を行う「REC/STOP」と押すことでタイムスタンプの古いファイルを1つ削除する「DELETE」、30/60/90/120/150/180分で録画を停止する「OFF TIMER」の3つのみ。側面には電源スイッチとH/M/Lと画質を3段階に切り替えるスイッチも用意されている。
録画操作自体も同様にシンプルで、ケーブルを接続した後に録音開始ボタンを押し、レコーダーなど再生側の機器を再生開始するだけ。録画中でもウォークマンの画面に特別なメッセージは表示されないので(「USB接続を解除しないでください」とPCとのシンク時と同様のメッセージが表示される)、録画中なのか待機中なのかはREC/STOPボタンのLEDが点滅(待機中)か点灯(録画中)で判断するしかない。
付属ケーブルの再生機側端子はスタンダードな赤白黄のRCAなので、各種レコーダーやAVアンプ、テレビなど多彩な機器を接続できる。マクロビジョン信号が含まれている映像は録画できず、その際には「30」と「180」の2つのLEDが点滅して録画できない旨を知らせてくるが、逆を言えば「RCAで出力されたマクロビジョン信号を含まない映像」ならば録画できる。アナログ端子から出力された地上デジタル放送(BRAVIA「KDL-32V2000」試用)やコピー制御されていないスカパー!の映像(東芝「CSR-B4」試用)については本製品でウォークマンへ録画できるのを確認できた。
シンクロ録画も行える。ウォークマンをセットした本製品とテレビやレコーダーを接続して再生待機の状態にした後、本製品の電源を入れると、REC/STOPボタンのLEDが1~2秒間隔で点滅する待機状態となる。予約時間となりテレビなどから映像信号が出力されると、自動的に録画が開始され、LEDは常時点灯の状態へ移行する。地上デジタル放送対応のテレビではEPGで番組予約を行える製品も多いので、この機能を利用すれば、据え置き型のレコーダーがわりに本製品を利用することができる。
なお、本製品は待機状態で映像信号を感知すると録画を開始してしまうため、シンクロ録画を行う際には、接続する機器が予約録画時間のみアナログ映像信号を出力する機能(または設定)を持っている必要がある。
録画によって生成されるファイルはMPEG-4 AVC/H.264(拡張子は.MP4)で、画面の解像度は320×240ピクセルのみ。録画したファイルは特にDRM処理などが施されておらず、PCへコピーしてQuickTimeなどで再生することもできる。ただ、アスペクト比が16:9と4:3の混在する地上デジタル放送の録画ファイルをQuickTime(QuickTime Player 7.4.5)で再生するとアスペクト比が崩れてしまった。Windows Media Playerで再生してみたところ、問題なく再生されたのでプレーヤーソフト側の問題と思われる。ちなみに最高画質でオフタイマーの上限、180分まるまる録画してみたところファイルサイズは約1.12Gバイトほどになった。
ポータブルプレーヤー用の録画アダプターとしては、以前にiPod用「iLuv-i180」を取りあげたことがある。本製品も入力されたアナログ映像を録画するという意味では同等といえる機能を持つが、iLuv-i180は録画したファイルがビデオポッドキャストとしてiPodへ登録されるなど、ファイル管理という面ではやや無理がある。
ウォークマンへ地デジ映像を持ち出すという機能は“お出かけ対応”のBDレコーダー「BDZ-A70」にも搭載されている(レビュー)。レコーダーのHDDへ蓄積された映像を高速に転送できる、自動的にウォークマン側の録画番組を入れ替えてくれるなど便利な機能はBDZ-A70ならではだが、本製品はPCこそ必要になるが録画したファイルを柔軟に運用できる。映像は低解像度に変換されてしまい、録画にも実時間が必要だが、アナログ録画という手段を用いることで、デジタル放送のコピーワンスも回避してしまう。
デジタル放送の録画ルールについては、ダビング10への移行が遅れることが確実視されており、当面の間はコピーワンスでの運用が継続されると目されている。そうした状況もあり、非常に自由度の高いデジタル放送録画を可能にしてくれる製品へ価値を見いだせる人も少なくないはず(個人的には、メモリーカードスロットも併せて搭載してくれればより魅力的な製品に映るが……)。2万円弱という価格もあり、万人に勧められる製品とは言えないが、ユニークなアクセサリーとしてアピールする製品といえそうだ。
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