同社のレコーダーでは早い時期から採用されていたのが「ハイライト再生」だ。電子番組表のジャンル情報から“スポーツ番組”と判断された番組録画時に機能し、音声情報をもとにハイライトシーンを分析してその前後を含めて再生する。主に観客の声援に連動することになるが、プロスポーツであればおおむね問題なく機能するようだ。また外部入力から録画する場合でも、事前に設定しておけば「ハイライト再生機能」を利用できる点もポイントだろう。
「ハイライト再生」による要約時間(総再生時間)は番組ごとに異なるため、操作画面(グラフ)を見ながら再生シーンの基準を変更することで要約時間を調整できる。基準を変更してから要約時間が表示されるまで数秒かかるが、十分待てる時間だ。また再生中でもサブメニューで「最初から再生」を実行できるため、要約時間を長くした場合にはこの機能を利用すればいい。もちろん操作画面はリモコンでON/OFFできるし、途中から通常再生に移行することも可能。前半はポイントだけを確認し、後半はじっくり試合を楽しむといった使い方もできるだろう。
ダビングは「ハイライト再生」での再生時に操作画面でサブメニューを利用するか、ダビングボタンから開始できる。こちらは要約時間を確認してからダビングすることになるはずだから、操作性としては違和感はない。最初はマニュアルに首っ丈になってしまうとは思うが……。
録画番組から音楽部分だけを抽出して再生できるのが「楽曲再生」だ。「ハイライト再生」同様に電子番組表で音楽番組と識別された録画番組で機能し、音楽演奏の開始、終了点の情報を録画時に生成してくれる。外部入力からの録画時も事前に設定すると機能するが、「ハイライト再生」とは排他利用になる点に注意だ。
再生時には「ハイライト再生」のような基準の変更はなく、「前」「次」ボタンを押すと音楽再生部分を移動できる点が通常再生とは異なる。なお音楽部分の先頭にもチャプターは設定されているので、通常再生や「オートカットi」再生時にも結構便利に使える。「オートカットi」再生時なら本編のみを再生しつつ、トークのつまらない部分をチャプタースキップで飛ばしつつ、音楽部分はしっかり再生といったこともできるからだ。
「楽曲再生」でのダビング手順は「ハイライト再生」と同じ。ただ「楽曲再生」での再生時間は固定されているから、「オートカットi」ダビング同様に通常のダビング操作からも指定できると便利だと思う。複数の音楽番組から音楽部分だけをダビングしてビデオクリップ集を作るといった作業が極めて簡単になるからだ。
今回はレコーダーとしては付加機能といえる3つの時短再生に触れた。どの機能も、人間が目視して処理したように完璧に機能を果たすわけではないが、筆者が確認した範囲では十分以上に実用レベルだ。
実際のところ、これらの機能は従来の同社製DVDレコーダーも搭載していたが、ITmediaでは未レビュー機種であったため、今回はあえてピックアップした。そのため、完成度は高いといえるだろう。いずれの機能も2番組同時録画時に2番組とも機能するというのも大きな魅力だ。
ハイビジョンレコーダーだからといって、録画した番組が全て保存目的という人はそう多くないはずだ。録って見て消す番組でも、せっかくなら高画質で効率良く見たいと思う人なら、本機の3つの時短再生機能はかなり魅力的に感じるのではないだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR