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パイオニアから“KURO”モニター「KRP-600M」登場黒輝度を1/5に低減(1/2 ページ)

» 2008年06月10日 14時03分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 パイオニアは6月10日、60V型のフルHDプラズマモニター「KRP-600M」を発表した。現行の“KURO”「PDP-6010/5010」に比べて黒輝度を約1/5に低減。業務用マスターモニターと同じ絵作りを目指した「ディレクターモード」の搭載など、AVファン層にターゲットを絞り込んだ。

 KRP-600Mは、2006年に登場した「PDP-5000EX」の後継という位置づけ。チューナーやスピーカーは搭載せず(9ワット+9ワットのスピーカー出力は可能)、その代わりにモニター機らしい“きめ細かい画質調整機能”を備えた。価格はオープンプライスで、6月下旬に発売予定。店頭では85万円前後になる見込みだという。

photophoto 「KRP-600M」。オプションの壁掛け金具を利用した場合、壁面とのすき間は89ミリとなる

 外観はKUROシリーズを象徴する“光沢のある黒”を継承しながら、ディスプレイ部分の厚さを64ミリまでスリム化している。そのために電源など各種部材の薄型化にくわえ、レイアウトと放熱のための空気の流れを最適化。オプションの壁掛け金具を利用した場合でも壁面にかなり寄せることできる。また、重量はスタンドなしで49.9キログラムと、PDP-6010より5キログラムほど軽くなった。

 付属のリモコンは、質感から機能まで全面的にブラッシュアップされた。外部入力をダイレクトに切り替えるボタンなど、基本的なレイアウトは継承しながら、方向キーと決定キーはアルミヘアライン仕上げで高級感を醸し出す。ボタンは自照式となり、専用ボタンを押すと全体が赤く光るようになった。また国内主要メーカーのリモコンコード約2400種をプリセットしたほか、学習機能を使ってコードを追加することも可能だ。

photophoto 高級感のあるリモコン。キー全体が赤く光る自照式となった

 注目のプラズマパネルは、予備放電を抑える“KURO”の正常進化といえるものだ。同社ホームエンタテインメントビジネスグループ事業企画部ディスプレイ企画部の西尾正昭部長は、「セル構造を含めたパネル構造および駆動方式を抜本的に改善することにより、黒輝度をさらに低減した。パネル技術に注目が集まりがちだが、この画質はパネル+回路技術によるもの。駆動方式を根本から見直している」と話す。「黒が締まったことで、絵がキレイになり、映像のふんいきまで伝えることができる」(同氏)。

 コントラスト比については明確に数字を出していないが、従来機(2万:1)に対して黒輝度が1/5となったことから、10万:1と推測される。なお、数値を出さない理由について西尾氏は、「コントラスト比といっても、各社の測定方法はまちまちで、都合の良い測り方をしているケースもある。パイオニアとしては、『単純な数字競争をやめましょう』という意味で(コントラスト比を)出すのをやめた」と話している。

photophoto 黒輝度は従来比1/5(左)。新たに「ディレクターモード」を搭載(右)
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